基準は「面白いと思えるか」ータスマニア在住コーディネーター utasmania安井康二氏
安井 苺農園の事業とはコーディネートの仕事の中で出会いました。作物の生産性を上げるなど農業技術的な観点ではなく、経営上のあらゆる問題を大小問わず片端から片づけていく、業務改善係のような仕事をしています。
例えば農場にはカフェも併設されているのですが、その業務をいかに効率化するか。家族経営ということもあり、清掃や片付けの仕方など、仕組みが定まっていない業務が多々あるため、オーナーや奥さんと話しながらシステム化を進めています。
コーディネートの仕事とは方向性がまったく違うため、この先どうしていくかはまだわかりません。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により環境が突然変化したので、それに合わせて自分も変えたという状況です。今は大きなことは考えず、目の前の小さな課題からひとつひとつ取り組んでいます。
安井 観光には個人と団体がありますが、語弊を恐れずに言えば、団体はある意味誰でもできる、自分で価格が決められない仕事です。一方個人であれはオーダーメイドで面白いツアーを作ることができますし、価格もある程度はこちらで決めることができますが、タスマニアではそもそも個人手配のボリュームが少ない上に、競合する日本人経営の会社が3社あります。
加えて、団体の観光は日が重なるとガイドの取り合いになり、私のような弱小会社は安定してガイドの供給をすることも難しくなります。そうなると自分が出ずっぱりになり、体力的にもきついものがありました。
テクニカルビジットのようなビジネスに関わる手配の方が、自身の知識や通訳としての能力を活かすことができるという点でも面白く、時間のコントロールもできるということもあり、現在はそちらに比重を置いています。幸いなことにタスマニア政府の中でも日本人コーディネーターなら私と認識してもらえるようになってきているので、それを強みに活かしていこうと考えています。