【ホテル座談会・前編】GOTOトラベルの効果は?キャンペーン終了後の対策は?
GOTOトラベル、ホテルにより明暗分かれる
キャンペーン後を見据え顧客の取り込みを
西村 コーポレートは出張がないため、全く戻ってきていません。教育旅行はまだ動きがあり、行き先が遠方から近場に変更になり、一月先など間際の旅行需要が増えました。学校としても予算を使い切る必要がありますが、近場の旅行ですと交通費などが安くなるので1人当たりの予算が上がります。このため、「ホテルのレストランでテーブルマナーを勉強したい」というニーズが出てきており、ホテルにとってもメリットを感じています。
本間 私たちのホテルでは修学旅行などはないですが、プリンスグループの「びわ湖大津プリンスホテル」では近畿圏の学校の教育旅行がかなりの勢いで動いているようです。
小林 我々の場合、シティホテルが埋まっている土曜日は満室となりますが、平日のビジネス需要がないので平日は厳しいです。
西村 GOTOトラベルキャンペーンの事業期間は2021年3月15日までですが、商品の販売自体は1月末で終わります(※編集部注:座談会を実施した11月13日時点)。京都には3軒のホテルがありますが、いずれも2月の稼働率は、1月の半分以下まで落ち込んでいます。1月の予約のうち35%がキャンペーンによる先行予約です。キャンペーンがお得なだけに、終わればさらに厳しい状況になると思うので、そうなったときにいかにお得感を出すかが重要です。
私たちは宿泊やレストランでの飲食に利用できる「ギフトチェック」という商品券を独自に発行し、お客様にホテル内での消費金額を増やしてもらえるよう取り組んでいます。今後は宿泊プランに夕食用のギフトチェックをつけるなど、付加価値のあるプランを増やしていくつもりです。
また、都ホテルにはロイヤルティプログラム「都プラス」がありますが、他社のポイントと交換できるなど、ポイントの汎用性を高めることも検討したいと考えています。
本間 キャンペーンが終われば稼働率は落ち込むと思います。手持ち予約で見ると、2月から3月の稼働率は10%から15%と低めです。とはいえ、2月でも高単価をキープできています。今年は1年目でホテルブランドを創っているところなので、キャンペーン後に大幅に料金を下げることは考えていません。
今はキャンペーンで宿泊いただいた方々に、プリンスホテルグループのロイヤルティプログラムの会員になってもらうよう心がけています。また、今後は弊社でもポイントの汎用性が課題になってくるかと思います。
小林 GOTOトラベルキャンペーンが終わればお客様は戻ってくると思います。「ファーストキャビン」のブランドはよく知られていますし、価格帯もお手頃なので問題ないと思います。
>>後編に続く