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【ホテル座談会・前編】GOTOトラベルの効果は?キャンペーン終了後の対策は?

GOTOトラベル、ホテルにより明暗分かれる
キャンペーン後を見据え顧客の取り込みを

-GOTOトラベルキャンペーンが始まって約4ヶ月が経過しました。成果や課題についてどうお考えですか

一番客室数が多い45㎡のスーペリアキング(The Hotel Seiryu Kyoto Kiyomizu) 本間 ザ・ホテル青龍 京都清水は「京都の中のラグジュアリーホテル」をめざして3月22日に開業しましたが、コロナ禍で当初は大変厳しい状況でした。4月25日から5月末までは臨時休業し、6月1日から営業を再開しています。GOTOトラベルキャンペーンが7月22日から始まり、さらに10月1日から東京都を目的地にする旅行と東京都在住者の旅行も対象になったころから、かなりの勢いで予約が伸びています。

 9月から10月にかけて徐々に稼働が伸び、11月は紅葉効果もあり、手持ち予約で稼働率は10月をさらに上回る状況です。ターゲットは50代から60代のシニアですが、GOTOトラベルで当初想定していなかった30代の方々にも来ていただいており、キャンペーンの効果は大きいです。

西村横山展望台からの眺め。手前が都リゾートベイサイドテラス、奥が志摩観光ホテル  メリットを感じています。特にリゾート地の伊勢志摩が好調で、「志摩観光ホテル」をはじめとした5つの宿泊施設の稼働率は7月から80%を保っています。

 ホテルの中で最も好調なのは、昨年建替してリニューアルオープンした「都ホテル博多」です。10月、11月とも稼働率は90%を超え、前年を上回りました。GOTOトラベルキャンペーンで20代、30代の若者層が宿泊し、Instagramなどに写真をアップしてくれているので、若者層の割合が増えています。

 苦戦しているのは大阪市内です。「シェラトン都ホテル大阪」など5軒のホテルがありますが、稼働率は前年を大きく下回っています。特に「ミナミ」と呼ばれる難波・心斎橋地区はインバウンドが多く、シェラトン都ホテル大阪も6割から7割がインバウンドだったことからお客様が減っています。

 大都市から離れた観光地でないとGOTOトラベルのメリットが受けにくいと思います。また、キャンペーンで少し高いホテルを利用する傾向があるので、そうしたホテルでないとキャンペーンの恩恵を受けにくいかもしれません。

ホテルロイヤルクラシック大阪と協力し、朝食付きプランを販売 小林 正直なところ、GOTOトラベルキャンペーンのメリットはありません。現在の稼働率は40%ですが、キャンペーンがなくても同様だったと思います。ビジネスのイメージが強い大阪市にわざわざキャンペーンで行くメリットがないのかもしれません。

 加えて、キャンペーン中はお客様がビジネスホテルに流れてしまっているので苦戦しています。我々のホテルはもともとインバウンドが4割、ビジネス客を中心にした日本人が6割でしたが、現在はインバウンドはいなくなり、日本人のレジャー客や他の宿泊施設が取れなかった方が宿泊しています。

 厳しい状況ですが、我々のホテルに隣接するシティホテル「ホテルロイヤルクラシック大阪」の朝夕食付きのプランを販売するなど、カテゴリを超えてほかのホテルで協力して頑張っています。