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事業承継の成功例を知る:大阪市・第3種旅行業のジータック

自社社員によるスムーズな承継に成功
飛行機クラブ仲間から仕事仲間、そして後継者へ

-河村社長は今後、ジータックをどのように経営していきたいですか

河村氏 河村 幅広いクライアントの業務渡航という大きな部分を守っていく方向性は変わりません。しかし近年は業務渡航についてもお客様が自身で手配できる時代になっているので、「OTAには負けられない」という想いは強いです。

 今の時代は情報が多い分、「検索疲れ」しているお客様も多いと思うので、そこは旅行会社として、的確な情報や価格を提示することで差別化をはかりたいと考えています。

 また、周年イベントなどの実績も積んできています。このようなイベントは2、3年先を見据えて取り組める事業なので、目先の利益を追う業務渡航と並行して力を入れていきたいです。

-ジータックの最大の強みとは何でしょうか

河村 会長や私を含めて、社員の多くが飛行機好きで、飛行機に関する知識と経験はどこにも負けないという自負があります。例えば機材名を聞いただけで設備に関する説明ができますし、「この景色を見るなら何番の窓側がベスト」といったアドバイスもできます。こういったアドバイスはOTAにはできないことで、ジータックのブランド力になっていると思います。

 昨年の台風で関空が冠水した時も、自社でほぼ100%のお客様の振り替えを完了することができました。多くの旅行会社は「関空がダメなら中部発で」「それでもダメなら羽田や成田から」という風に代案を探しましたが、飛行機好きの我々は「台北に行くなら宮崎経由で」「上海に行くなら鹿児島経由」と、すぐに伊丹からの別ルートを手配できました。このことは社員全員の経験値を上げ、強みに磨きをかけたと感じています。

-事業承継から1年半が経ちましたが、お2人の今のお気持ちをお聞かせください

 私はもともと思い切りのいいタイプだが、決断に間違いはなかったと思っている。自分で始めた会社が今後も続いていくことや、その上で今は自由にさせてもらっていることに満足している。河村社長の前では初めて言うが、これが偽らざる本心だ。

河村 会社を引き継いだことに後悔はありません。社員として業務を遂行することと、経営者となることには大きな違いがありましたが、そうした不安は「なにわあきんど塾」などで学ぶことで払拭しつつあります。この3年間で自分自身も大きく成長できたと感じています。

-ありがとうございました