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週間ランキング、1位はJTB「働き方&ダイバーシティ」、羽田米国線も

[総評] 今週は、JTBで「人事部働き方改革・ダイバーシティ推進」を担当されている高崎邦子氏(高ははしご高、崎はたつざき)のインタビューが入りました。働き方やワークライフバランス、ダイバーシティなどの取り組みの必要性は指摘するまでもありませんが、一方でおそらく正解はなく、結局の所右顧左眄していないでとにかく動くことが一番の選択肢だと思っており、その意味で「最大手の現在地」をひとつの指標として取り上げ、それに対して反響を得られたのは嬉しく思います。

 ダイバーシティに包含されるかわかりませんが私は、自分もそうでありたいと思うからか、「出る杭は打たれる」の「出る杭」こそがこれからの旅行業を担う者であると考えています。異質さや突飛さ、独創性、新しい発想、破壊的スピードといったものを組織がどう活用するのか、あるいは業界内でどう活用するのか、という視点はきっと色々な意味で意義深いものとなるはずです。

 すでに企画は立ち上げ、JTBを含む一部の会社へ打診をはじめました。普通だと「打たれ」てもおかしくない人材を取り上げようという話なのでなかなか難しい部分もありそうですが、その分実現すれば面白い内容になると思っていますので、掲載できた暁にはご一読いただけますと幸いです。

 また2位は、羽田/米国線の増枠が1日あたり24便となったことをお伝えした記事でした。昨年末にデルタ航空(DL)日本支社長の森本大氏が「年明けの1月か2月に決着」と話されていましたが、見事に予言的中されたことになります。

 一般メディアが大きく取り上げていたなかでも多く読んでいただけたのは、それだけ24便のインパクトが大きかったということでしょうか。確かに、増えるのが50便でそのうち半分というのは結構な数です。米国への現在の日本人訪問者数は、ハワイとミクロネシアを含めてもおそらく年間400万人程度で、1800万人超の出国者数との比率からすると思い切った割り振りという印象です。

 もちろん、米国との結びつきは政治や経済など様々な面で日本が国と認める195ヶ国のなかで最も深いわけで異常とまでは思いません。ただ、かねて当欄でも書いてきたはずですが、なぜ20便でなかったのか、あるいは26便、30便でなかったのか、といった部分については説明があって良いでしょう。

 そしてその意味では、今後発表されることになる日系航空会社への配分(日米で24便を折半して12便)がどう決まったのかはさらに気になってきます。いわゆる「8.10ペーパー」の日本航空(JL)に対する制限はなくなっているはずですが、全日空(NH)は当然なんとかして1便でも多く手に入れようとするでしょうし、一方ではスカイマーク(BC)もサイパンへのチャーターで国際線の定期便開設に近づこうとしているところで、前例を踏襲すれば良いという話でもありません。

 ちなみに個人的には、2016年に羽田/米国線の配分がNH4便、JL2便と決まった時にJLが出した「前回配分の際に示された考え方に基づくものとのことであるが、配分を決めるのは国土交通省様なので仕方がないが、残念である」という味わい深いコメントが大好きで、そういう意味では他人事として考える限り今回どのようなことになっても楽しみではあるのですが、業界の人間としてはやはり透明性を高めてほしいと切に願います。

 また、もうひとつちなみに、JLの破綻時に航空局長であった前田隆平氏が駐スイス大使を経て現在はNHの役員に就いていらっしゃり、話せないことも色々とあるとは思うものの、できればお話を聞いてみたいものです。

 なお、折しもアイドルグループ嵐の櫻井翔さんの父親で総務次官を務められた桜井俊さんが電通取締役に就任、というニュースがありましたが、そのうち観光庁長官やそれに近いポジションの経験者が旅行会社に入って能力や経験を発揮するような話はあり得ないでしょうか。いわゆる天下り先の確保に汲々とし無駄な金や時間が流れていくよりも、堂々とそういうことが起きる世界の方が良いような気がします。(松本)

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