現地レポート:JAL就航を機に知るメルボルンの魅力、近郊も

  • 2017年10月11日

成田から豪州第2の都市に直行便
新たなツアー造成の可能性を探る

郊外にはペンギンや海岸道路以外の魅力も
高森氏「まだまだ観光資源多い」

「マルー・コアラ・アニマル・パーク」では動物の餌付けも楽しめる  3日目の午後には「野生動物の宝庫」として知られる、市街から車で約1時間半のフィリップ島に移動。コアラやカンガルー、ウォンバットなどオーストラリアならではの動物を飼育している動物園「マルー・コアラ・アニマル・パーク」などを訪れたのち、同島のハイライトと言える「ペンギン・パレード」を鑑賞した。

新設された半地下の観覧室では、ガラス越しに巣に帰るペンギンの群れを見ることができる。なお、ペンギンの保護のため撮影は厳禁(写真提供:ビクトリア州政府観光局)  「ペンギン・パレード」は、日没時に狩りを終えて海から上がり、それぞれの巣に帰るリトルペンギンの群れを観覧エリアから楽しむもので、夏の繁忙期にはチケットの確保が難しいほどの人気アトラクション。よちよち歩きで、しかし正確に自分の巣に帰っていくペンギンの姿に、参加者からは「ペンギンが歩いているだけかと思っていたが、この目で見たら感動的だった」といった声が挙がった。観覧を終える頃には辺りも暗くなり、観覧エリアからビジター・センターへの帰り道には、見事な星空を見ることもできる。

馬の背に乗ってワイナリーへと出発  4日目は、3連泊したメルボルンのホテルを後にし、南に位置するモーニントン半島へ。ポート・フィリップ湾を望む英国風の庭園「ヘロンズウッド・ガーデン」、アーサーズ・シートのオープンして間もないケーブルカー「イーグル」を視察し、農園が運営する「グリーン・オリーブ・アット・レッド・ヒル」での昼食後は、乗馬とワイナリー巡りの両方を楽しめる「ホースバック・ワイナリー・ツアー」に参加し、2軒のワイナリーを訪問した。

「シーロード・フェリー」の甲板から夕日を眺める  高森氏によれば、これらのモーニントン半島の観光資源は「ビクトリア州に数多く残されている、まだまだアピールできていない魅力の幾つか」。高森氏はソレントからクイーンズクリフへの移動に利用した、ポート・フィリップ湾を渡るカーフェリーの「シーロード・フェリー」なども立派な観光資源の1つであることを説明した上で、「ビクトリア州では郊外にも滞在して、ゆっくりと観光してほしい」と強調した。一行は、この日はクイーンズクリフの港でディナーを楽しんだ後、街の中心に位置する築130年超の老舗ホテル「ビュー・グランド」で宿泊。大都会のメルボルンとは異なる静かな夜を楽しんだ。

ヘリコプターで「12人の使徒」へ  最終日はペンギン・パレードに並ぶビクトリア州の目玉スポットで、「世界で最も美しい海岸道路」との呼び声も高い「グレート・オーシャン・ロード」を観光した。メルボルンから南西に約90キロメートル離れたサーフィンのメッカのトーキーから、アランスフォードまでの約260キロメートルに渡って続く海岸道路で、そのうち奇岩が集まるエリアの「12人の使徒」では、小型のヘリコプターで上空を遊覧。見事な眺めで4日間の視察を締めくくった。

上空からの「12人の使徒」の眺め  視察を終えた参加者からは「メルボルンの市内観光だけでなく近郊のペンギン・パレードやグレート・オーシャン・ロードまで、幅広い魅力があることがわかった」「これまでは個人旅行向けのスケルトンツアーを中心に扱ってきたが、今後は近郊の観光資源の魅力を積極的に組み込んだ添乗員付きツアーで、シニアなどにもおすすめしたい」など、送客増に向けた好意的な意見が聞かれた。高森氏は「今回のツアーで訪れたフィリップ島やモーニントン半島だけでなく、50以上のワイナリーが集まるヤラ・バレーなど、まだまだ観光資源は多い。今後も関係者の皆さんの協力を得て、日本市場にアピールしたい」と意欲を示している。

取材協力:日本航空、オーストラリア政府観光局、ビクトリア州政府観光局
取材:本誌 行松孝純