富裕層取込の鍵は「パーソナライズ」されたサービスに-ILTM Japan

  • 2016年4月12日

「人間味あるサービス」やモバイル化の推進を
訪日欧米豪人の消費にも注目

日本人は「人間味」重視
パーソナライズされた提案で安心感を

アメリカン・エキスプレス・ジャパンの中島氏  中島氏は、日本の旅行市場のトレンドについても説明。アメリカン・エキスプレス・インターナショナルが15年8月に実施した、日本、インド、香港の18歳以上の男女3000名を対象にしたオンライン調査によれば、日本の消費者がカスタマーサービスに求めることは「人間味」が26%で最も多く、「礼儀正しさ」が25%、「相談相手として頼りになる」が22%だった。一方、インドと香港は「効率を重んじる」がトップで、それぞれ34%、42%だった。中島氏は「日本人は効率よりも、自分が大切にされているという満足感を得たいと考えている」と説明し、「予想外の心遣い」などが、顧客の評価を大きく左右するとの見方を示した。

 ちなみにアメリカン・エキスプレス・ジャパンの上級会員向けの調査でも、パーソナライズされたサービスに興味がある日本人が多い結果が出ていることから、中島氏は日本人の富裕層には「自分に対する理解、ニーズにあったコンサルティング、プロフェッショナルな旅行の手配で、より安心感を得たいというニーズ」があると指摘。「特別扱いや安心感といった、感情的なベネフィットが最も求められている」と語った。

 同社の上級会員の旅行の傾向については、海外旅行はホノルルやパリ、国内は沖縄が人気で、何度も同じ場所やホテルを訪問するリピーターになる傾向があると説明。毎年同じホテルの同じ部屋に宿泊するケースもあることを伝え、「自分のことを知っていて、家族のようにもてなしてもらえることをバリューとして捉えている」との見方を示した。