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トップインタビュー:プライスライングループ代表取締役社長ダレン・ヒューストン氏

-日本人の取扱増についてのお考えをお聞かせください

ヒューストン インバウンドと同様、まずは商品を適切に揃えることが大切。最大の選択肢を提供し、それをできる限り安く提供する。その次の段階として、日本のお客様をいかに惹きつけていくかだ。海外旅行でも国内旅行でも我々のサービスを利用してほしい。

 我々では日本語版のウェブサイトに力を入れている。Booking.comでは212ヶ国・地域の61万施設を取り扱っているが、ほとんど日本語化しているので、イタリアのみならずグリーンランドなどの施設でも日本語で閲覧できる。支払いに関しては代理店モデルを採用しており、利用者は予約をした際に払うのではなく、現地のホテルで宿泊料金を支払えばいい。例外として返金不可能の格安プランはあるが、基本的には取り引きは旅行者とホテルの間でおこない、我々は予約をサービスとして提供している。

 また、Booking.comで日本国内の宿泊施設を見ると、日本人が予約する数と、中国人が予約する数はほとんど同じだ。しかし、我々がフルに展開できていれば、日本人は中国人の4、5倍になるはずだ。日本で1番需要が大きいのは国内旅行であり、競合他社にしっかり勝っていけるような戦略を持つ必要があると考えている。

 我々は、日本人は平均的な旅行者に比べてより安全を求める感覚があり、サービスレベルにおいて非常に高い基準を求める傾向があることを理解している。日本で勝っていくためには、日本人のレベルに見合った製品や顧客サービスを提供していかなければならない。Booking.comではカスタマーセンターを東京に開設しており、世界中どこにいても、24時間365日、日本語サービスを提供している。こうした取り組みを通して、日本人には良いサービスを受けていると感じてほしい。


今後のOTAの展望についてどうお考えですか

ヒューストン 現在の流れは我々にとって追い風になっている。旅行商品を航空券、宿泊施設と切り分けて、それぞれ単体で、インターネット経由で購入する傾向も出てきているし、LCCの台頭もある。情報が誰でも手に入るようになり、全員が同じような情報を持って自分で選択できる。日本も他の国よりは遅いがそうした傾向になっている。

 日本人は10年前、パッケージツアーを利用し皆でハワイやオーストラリアに行くという感じだった。しかし、日本市場は変化している。若い世代では恋人や配偶者と個人旅行に行き、パッケージツアーを利用しない人々もどんどん出てきた。

 もちろん、経済のデジタル化や、モバイルデバイスの台頭などもある。例えばBooking.comのモバイル経由の予約では、2011年に10億ドルの取引があったが、2012年に30億ドル、2013年に80億ドルと増加し、2014年にはさらに約2倍の取引額となった。

 旅行は素材ごとに組み合わせて購入することで、旅行代金を節約できる。1人ひとりが自分で自分の旅行をマネージングできる、という楽しみもある。OTAの手法はますます共通のやり方になっていくと思うし、特に若い人々にとって主流になっていくと自信を深めている。

 今後は引き続き、「どこからでもどこへでも」いけるグローバルなサービスを提供していきたい。私は以前、スターバックスの上級副社長を務めた経験があり、スターバックスを日本と中国に持ち込んで成長させた。日本マイクロソフトの代表取締役社長も経験している。その観点から言うと、グローバル化した特別な特性のある商品を各国に持ち込み、グローバルな特性で勝っていくことはできると思うが、その際にローカルに合うような微調整をし、グローバルな価値をローカルに受け入れてもらうことが必要だと思っている。


ありがとうございました