現地レポート:ノルウェー(1)、オーロラ観光の拠点トロムソの楽しみ方
トロムソの街歩きとアクティビティ
オーロラに加えてアピールしたい観光素材
コンパクトで自由行動に適した街
トロムソの観光スポットには、北欧現代建築の粋ともいえる三角形のトロムスダーレン教会、標高420メートルの頂上から街を一望できるトロムソ・ケーブルカー、ミニオーロラ発生装置のあるトロムソ博物館、水族館併設のポラリア、そしてプラネタリウムなどがあげられる。
中心街は徒歩30分もあればまわれるほどコンパクトで迷うこともなく、短時間の自由行動に非常に適している。北欧雑貨を扱うショップやカフェ、グルメレストランなど、女性に好まれるスポットが目につくほか食品スーパーも点在し、みやげもの購入に便利だ。歩き疲れたら、1877年創業のマックビール醸造所のビアホールで地ビールを試飲するのもいい。つまみには名産の干しダラやトナカイ肉のサラミがいいだろう。
しかし、今回の訪問時は肝心のオーロラは出現しなかった。自然現象であるオーロラは天候こそが頼みの綱。絶対条件として快晴であること、そして雲のない星がきらめくような夜空が望ましい。今回はトロムソに2泊したが2晩とも雨にたたられ、期待していたトロムソ湾に映り込む壮麗なオーロラの景観を観ることはできなかった。
トロムソ湾人気のフィッシングクルーズ
トロムソでは、豊かなノルウェー海の恵みを街の中心部で体感できる。トロムソイヤ島は潟に似た内海に浮かび、周辺は非常に豊かな漁場である。そのため島をクルーザーで周遊しながらフィッシングを楽しめる。
街中の船着き場からクルーザーに乗った。船内で防寒つなぎを貸してくれるので衣服の上からそれを着込み、デッキに出てフィッシング開始。疑似餌を使うルアーフィッシングである。しばらくすると隣の人の竿が引きはじめ、さっそく大きなタラが釣れた。すると反対側のデッキでも歓声が上がる。この催行会社では「誰もが釣れるお墨付き」と銘打っていたが、どうやらそれは確かなようだ。釣り初心者の筆者でさえ1時間30分で2匹のタラが釣れたのだ。
釣れた魚は船長がさばき、すぐにキッチンで調理される。タラはさっと塩ゆでし、付け合わせにはオニオンとベーコンのソテーやゆでたジャガイモなどが添えられた。これらはノルウェーの典型的な家庭料理とのこと。身のしまったタラの食感とやさしい味が口の中で広がった。
このアクティビティは所要約3時間で、釣りの醍醐味とクルーズ体験、そして、とれたての料理を味わい談笑するという、非常に評判の良いプログラムである。白夜やオーロラ鑑賞を楽しむ夜のクルーズも予定されているとのこと。いずれも対象人数は10人から30人ほどで、MICEなどのチームビルディングにも最適だ。