インタビュー:JTB中部 海外旅行仕入販売部仕入計画課長の大野真氏
中部地域全体の需要の底上げはかる
中部国際空港の近距離線増便のチャンスを活用
-今年力を入れていくデスティネーションは
今年はJTB中部としてカンボジア、ミャンマー、ラオス、ベトナムの4ヶ国への取り組みを強化していく方針だ。この地域は魅力ある世界遺産など観光資源も多く、ビーチもある。さまざまな需要に応えられるデスティネーションだと思っている。
ベトナムではベトナム航空(VN)と協力していく。VNはカンボジア、ミャンマー、ラオスへのコネクションも良い。また、地方空港では仁川経由でベトナムに行くなどの経由便も積極的に展開する。
この4ヶ国は2つのパターンに分かれている。カンボジアとベトナムは旅行マーケットが動いてきている。カンボジアは世界遺産のアンコール・ワットが人気で、ベトナムとカンボジアを組み合わせたコースは定番だ。また、ベトナムはハノイやホーチミンに加え、ベトナム中部エリアも注目されてきている。一方、ミャンマーやラオスはこれから需要喚起をしていく計画だ。
直行便がない地域は乗継便を活用して商品を造成する。まずはVNと乗継便を利用したデスティネーションのプロモーションを展開し、需要の底上げも取り組んでいく。
-今年はLCCに注目が集まっています。中部国際空港にも7Cが就航していますが、LCCが中部マーケットに与える影響をどう考えていますか
LCCは自社独自のシステムを使っており、旅行会社がLCCを取り扱うためにはシステム投資をして対応しなければならない。LCCは消費者への直販をメインにしており、旅行会社が間接的に取り扱うならばLCC側に合わせてほしい、というのが彼らのスタンスだろう。そのスタンスがあまりにも強いのであれば、旅行会社としても取り扱うLCCの選択と集中をしていく必要があると考える。
7Cの場合は既存のGDSに接続して予約発券や精算ができる。旅行会社のビジネスモデルに彼らが合わせてくれている状態で、比較的売りやすいことから、販売もおのずとついてくる。JTB中部としても、有利な条件を引き出せるLCCとはしっかり組んで販売していく考えだ。
一方、他のビジネスモデルも検討していくべきだと思っている。これまでの販売手法にとらわれない新たな発想でどのようにビジネスにつなげていくか、旅行会社にとってまさに正念場といえるだろう。
-ありがとうございました