HIS澤田会長、世界市場で競争力向上へ、HTBとオンライン強化

  • 2011年10月26日

 澤田氏は長崎/上海間のクルーズ船の今後の運航計画について、11月3日に長崎を出港、6日に上海から長崎へ帰港する往復運航をまずおこなう。その後、来年1月から長崎/上海間の定期運航を開始すると語った。運賃は片道7800円に設定。船は3万トン級で、1000人から1800人が乗船可能だ。クルーズ船は「OCEAN ROSE(オーシャン・ローズ)」と命名。5月にハウステンボスの庭園に100万本のバラを植樹したことをイメージして、澤田氏が最終的に決定したという。クルーズ船はハウステンボスの子会社、HTBクルーズが運航する。

 特に澤田氏は、ハウステンボスの黒字経営、さらにクルーズ船の運航とビジネスを展開する上で、「低コスト、低料金ではあるもののサービスの質を高めたい」と語り、クルーズ船をLCS(ローコストシップ)ではなく、LCES(ローコスト・エンタテイメント・シップ)としてサービスを充実させることを繰り返し強調した。さらに「来年は日中国交回復40周年。日中友好の架け橋として、長崎/上海間のクルーズを運航していきたい」とも述べた。

 西川氏は、「本日の澤田氏の話の内容は、エイチ・アイ・エス(HIS)という一旅行会社の発展形として考えると、市場も業態もおどろくべきスケールで変化してゆく姿が見えて驚きを感じる。経営者の先見性に基づいた戦略の重要性と決断と実行の早さは、トップダウンの組織こその強みとも思える」と総括を述べ対談は終了した。