タヒチ、リカバリープランの一環でメガFAM開催-客層拡大への提案も
ワークショップでタヒチ観光局ヘッドオブオペレーションのカリーン・ヴィラ氏に話を聞くと、「日本市場は昨年、約1万4000人弱と2003年の2万3000人超に比べて落ちている。フライト数の減少がその主な理由だ。震災後も激しい人数の変化はなくゆっくりと戻ってきており、必ず元の数字に戻せると確信している」とのこと。タヒチはハネムーンのデスティネーションとして人気が高く、「一生に一度は行ってみたい場所」として“憧れの地”となっている。しかし反面、客層が薄くリピーター獲得に苦労する。よりバラエティに富んだ客層開拓が望まれており、同時に「ハネムーンはタヒチ」という図式も維持していくことが今後の課題となっているという。
武田氏は「旅行業者でも“タヒチは高い”というイメージを持っているが、それに見合う価値がある」といい、自然とリゾートが調和した独特の美しさに加え、衛生面、セキュリティ、サービスなどでも満足度の高い旅行ができるデスティネーションであることをアピール。だからこそ、大切なハネムーンの機会に訪れる人が多く、期待値の高い中でも安心しておすすめできる旅先なのだという。
とはいえ、武田氏はハネムーン市場だけに頼っていくという危険性も指摘。ヴィラ氏もそれに同調する。「島嶼で構成されるタヒチにはそれぞれの島に独特な文化があり、実は非常に多様性に富んでいる。この先、よりバラエティに富んだターゲットを設定していくことは十分可能で、具体的にはOL、若年層、シニア層へのアピールをしていきたい」とのこと。ただ、値段を下げることによる新規ターゲット層の取り込みには懐疑的で、「タヒチの特別感は守っていきたい」と慎重だ。
現在も10万円台の気軽に手の届く金額の商品はあり、ほとんどがタヒチ島だけのモノ商品だ。また、タヒチ島からフェリーで行けるモーレア島への人気は高まっている。こうした商品を若い女性層など“ハネムーナー予備軍”に利用してもらい、離島ステイへの期待感を高めて「ハネムーンではぜひボラボラへ」とシフトできれば理想的だ。そのためには「タヒチのユニークさをより強くアピールすべき」と武田氏は言う。フランスとポリネシアの融合した独特な雰囲気、タヒチアンダンス、スパ、ダイビングなどタヒチらしいものは数あるが、ほかのデスティネーションと比較してなお魅力を放つポイントを見つけることが今後の課題となりそうだ。