トップインタビュー:エアアジアX(前)、戦略面の歩み-LCCは「ユニクロ」的

  • 2012年8月7日

マルチ・ハブ戦略でネットワーク展開
「ハイブリッド化」は否定



-AKグループの戦略を教えてください

D7のA330-300型機

オスマン・ラニ 我々の戦略の一つはマルチハブ。これまでエアラインは特定の国をベースとし、その国の利益を考えてきた。我々はクアラルンプールだけでなく、バンコク、ジャカルタ、プーケット、バリ、マニラ、東京にもハブがあり、さまざまな組み合わせで、より多くの選択肢を提供できる。

 二つ目の戦略は長距離国際線。欧米のLCCは考えてこなかったが、我々は重要なビジネスだと考えている。例えば、オーストラリア線の乗客の70%がクアラルンプールを最終目的地とせず、バンコク、ランカウイ、ペナン、バリなどの便に乗り継ぐ。D7で東京に飛ぶ人も、JWの国内線に乗り継いで札幌などへ飛ぶ需要も多くなるだろう。

 グローバルネットワークは重要だ。レガシーキャリアはアライアンスを組んで、それに対応しているが、それは20世紀のモデルだと思う。彼らは違うブランドをまとめようとしているが、我々は一つのブランドでネットワークを広げようとしている。

 21世紀のいま、最も力を持っているのがインターネットだ。消費者の購買方法の変化によって、消費者とブランドの関係はインターネットによって強まっている。特に、FacebookやTwitterなどソーシャルメディアの影響は強い。AKは、一つのブランド、一つのウェブサイト、一つのFacebookページ、どこに飛ぼうが一つのブランド。すべてがAir Asia.comで完結する。AKグループは世界で最初のLCCネットワークだといえるだろう。