バンヤンツリー創設者が語る日本進出の理由「真の日本がある地方にこそビジネスチャンス」
制限解除後のリベンジ消費に期待
持続可能な地域コミュニティづくりにも注力
-バンヤンツリーは、地域コミュニティを大切にしています。その理由を教えてください。
ホー 雇用を含めた地域コミュニティへの経済効果だけでなく、ホテルは地方の地場ビジネスにとっても大きな波及効果があると思っています。30年前に観光で飛騨高山を訪れましたが、通りには多くの工芸品を売る店が並んでいました。しかし、今ではその数も減ってきています。ホテルには、観光客を呼び込むことで、その伝統文化を守る役割もあると考えています。
確かに東京はエキサイティングな街ですが、東京は東京です。他の国でも同じですが、田舎にこそ、日本のエッセンスが詰まっている。日本の若者も地方に目を向け始めていると聞いています。そういう意味でも、地方でのホテル展開はいいタイミングだろうと考えています。
-日本は6月10日から観光目的の訪日旅行を部分的に解禁しました。今後についてどのような見通しを持っていますか。
ホー 世界の旅行業界は、7月10日の参議院選挙の後の日本政府の対応に注目しています。1日の入国者数上限が拡大されるか、あるいは撤廃されるか。他国での国境開放後の動きを見ると、制限が緩和された後、日本でもインバウンド需要は急速に回復するでしょう。いわゆるリベンジ消費が起きるのではないでしょうか。短期的だけでなく、長期的にも、私たちは日本市場について非常に楽観視しています。