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業界ニュースを振り返る ー 悪いのは業法か旅行会社か

  • 2022年6月25日

 今回の弁護士に聞く は人気もコメントもすごい盛り上がりでした。この記事は様々な問題提起となる内容でしたが、皆様のコメントからも現時点での問題点が何なのかはっきりとわかります。ざっと洗うと

・旅行業法や約款が現代にマッチしていない
・「手配旅行」などといった概念がすでに時代遅れ
・海外OTAはこれらの制限を逃れる手段がある
・現在の業界団体がこれに対して大きく声を上げてないないと読者の方々は認識している

 あたりでしょうか。AIRの即売キャンセル不可の問題は置いておくにしても、日本の旅行会社が時代遅れな業法や概念に縛られて不利な戦いを強いられる一方、海外OTAは一部とはいえど制限を逃れる方法があるというのは、感情的にも納得いくところではありません。

 ただ、JATAやANTAが声を上げてないと業界人である読者の方々は認識しているわけですし、私も認識を同じくしていますが、ここがいまいち納得いかないところではあります。というのも、ここを改正せずに置いておくことでJATA所属の旅行会社の大手も含めた殆どが得しないだろうからです。「JTBって何?」という強烈なフレーズで始まる記事がありましたが、現在残念ながらJTBですら訴求力を失いつつあります。そんな中、枷となるような不要な制限を取っ払いたいというのは普通の考えだと思うのですが、意外とそうはならないのが不思議なところです。
 もっとも、私は旅行者の方と直接携わるような業務をしたことがないので、これらの法律部分や各概念がもたらす恩恵があるのかどうかも理解していません。改正に動けない事情があるのですかね?

 さて、制度や概念が悪いからOTAに対して不利という話もありますが、旅行会社の意識を問う強烈な問題提起となる柴田氏のコラムもコメントが盛り上がっていました。特に「旅行の選択肢に旅行会社がない」というのは強烈です。
 実は私、今回初めて自分で個人旅行に旅行会社を利用しました。今月から開始しているHafHのJALと提携したサブスクプランに申し込んでみたのです。どんなものか試してみようかなというのと、ランダムで国内旅行に行くというのは体験してみたいと思ったからです。しかし、逆に言えばこれ以外で旅行会社を利用してみようとプライベートで考えたことはありません。
 私みたいなケチ臭い若造に使ってもらわんでいい、というのもあるでしょうが、マス層を引き込めない業界はやはり厳しい。こういったユーザ目線のアイデアで勝負をかけられる旅行会社しか、今後は生き残れなくなるのかもしれませんね。