ハワイの「今」を駐在員の視点から-感染者数は再び増加傾向も、現地ツアー会社は徐々に再開
梅雨のないハワイはもう夏本番の6月になりました。早々と先月26日に公立学校は年度末となり、8月から始まる新学年度まで、2ヶ月間の長い夏休みに突入しています。ワイキキビーチでは、観光客に混じって地元の子供たちが朝からサーフィンやボディボードを楽しむ姿が見受けられます。
お天気の方も、5月初めはマウナケアやハレアカラ山頂では雪嵐、反対にホノルルでは貿易風が止まり、日本の熱帯夜のように寝苦しい日もあるおかしな天候でしたが、今ではすっかりハワイらしい晴天の日が続いています。海沿いのカフェの涼しいテラスから、青空と白い雲、エメラルドグリーンの海をぼんやりと眺める至福の時間を楽しんでいます。
日本から届く旅行関連のニュースは地元の報道機関でも扱われており、ハワイ路線の増便、空港検疫の緩和など明るい話題が多く、旅行業に携わる者たちは準備に忙しく、それ以外の業界に務める在留邦人や家族たちは3年ぶりの夏休み帰国に心躍らせています。ただ、先月のレポートでも危惧していたコロナウイルス陽性者の再増加はその後も続き、撤廃されていたマスク着用措置の再施行の話も出始めています。今回も現在の新型コロナウイルスの状況と観光スポットの様子をレポートします。
ハワイのコロナウイルス感染状況
5月末時点でのハワイ州の新規感染者数比(7日間移動平均値)は以下となっています。
市郡 | 陽性率 | 州全体 | ホノルル | マウイ | ハワイ | カウアイ |
---|---|---|---|---|---|---|
新規感染者数(3月) | 2.9% | 87名 | 64名 | 12名 | 6名 | 5名 |
新規感染者数(4月) | 9.1% | 362名 | 246名 | 46名 | 45名 | 25名 |
新規感染者数(5月) | 18.3% | 8924名 | 6475名 | 801名 | 1102名 | 443名 |
毎週水曜日に発表される新規感染者について、月末の数値比較ではではなく、毎週の数値をグラフにしてみました。日々、上昇中ですが、濃厚接触者で無症状もしくは軽症の場合は検査場へ行かずに政府から無料配布された簡易キットで自己検査を行うだけですので、実際はもっと多いだろうと言われています。
ハワイ州のみ、知事が解除に躊躇していたマスク着用義務でしたが、3月末には屋内での着用規制が撤廃、4月19日には市バス乗車時もマスク不要になりました。その後、5月には日本の成人式のような位置づけのビッグイベント「高校の卒業式」が、州内各地でバーチャルではなく通常開催されました。身内が集い警戒心も低くなるイベントで、感染者が急増することは予測可能であり、想定もされていたのだと思います。
5月初めの段階では、「入院者数は増加してきているがコントロール可能」と報道されていましたが、5月終わりにはホノルル市長が「マスク着用措置の再開の可能性」について言及していましたので、少し危なくなってきているのかもしれません。感染者数の増加は6月中頃がピークになるだろうと予想されていますので、日本の夏休みが始まる前には落ち着いて欲しいと願っています。
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