他ホテルや観光施設とのコラボ強化で地域の観光を盛り上げる―グランドプリンスホテル広島 総支配人 平瀬春男氏
目標は瀬戸内に7泊、連携をマネジメントする旅行会社の力に期待
平瀬 ウェルネスはコロナ前からホテルの強化ポイントでしたが、コロナ禍によりウェルネス志向はさらに高まっていると考えており、今後も強化します。ホテル周辺の散策の楽しさをアピールしたり、自転車でのちょっとした観光の魅力も紹介していきます。ホテルからは瀬戸内海の島々への距離感もよく、すでにJR西日本グループと瀬戸内汽船が運航する高速クルーザー「シースピカ」とコラボしています。尾道から瀬戸内の島々を訪ねるクルーズの寄港ポイントとして、当ホテルの桟橋も使用されています。宿泊客は船でホテル桟橋に到着し、チェックインすることが可能で、今後インバウンドが本格復活となった際には大きなアピールポイントになると見ています。
平瀬 広島フィルム・コミッションが映画等の誘致に力を入れており、以前にも『この世界の片隅で』がホテル近くで撮影されました。『ドライブ・マイ・カー』に関しては、バーの「トップ オブ ヒロシマ」とエントランス周りが写っただけでしたが、見る方が見れば分かるようで、大変な反響がありました。日帰りのロケ地巡りツアーが商品化され、広島県の「やっぱ広島じゃ割」を使って多くの方が参加しました。
平瀬 売却の最初の段階であるCA(コンフィデンシャル・アグリーメント)を結んでおり、現在は売却予定という状況です。
平瀬 そのように聞いています。運営はプリンスホテルとして継続します。これまで全部直営でやってきた歴史があるので、我々の受け止め方としてはやはり緊張感があります。もちろん、これまで緊張感がなかったという意味ではなく、今後はオーナー側からオペレーターとして選ばれ続けるよう、よりオペレーション能力を磨いていかなければと考えています。
平瀬 コロナ禍をきっかけに観光産業への世間の見方が変化していると感じます。コロナ前はインバウンドを含め観光産業はイケイケドンドンの状態で、インバウンドを誘致して人を集めれば雇用が増え消費も増えるという雰囲気でしたが、現在はややネガティブな受け止め方が増えました。しかし、コロナ禍で溜め込まれた人々のストレス解消の最良の方法は旅行だと思います。コロナ禍の前後を通じて、医者と観光は世の中に必要な2大要素だというのが持論です。そしてできれば観光することで病院へ行かなくても良い人が増える、そんな状況を目指し、業界の皆さんと共に頑張っていきたいと思います。