コロナ下のハワイ渡航、記者が見た出入国と観光産業の現状
日本政府は3月から水際対策を緩和し、条件を満たせば一部の国については帰国後の隔離を不要とした。筆者は4月上旬に日本旅行業協会(JATA)の視察団に同行し、ハワイに渡航する機会を得た。本稿では出入国の準備と手続きの模様、現地の観光産業の状況をレポートする。
日本出国まで、書類の準備は余裕をもって
ハワイへの渡航に際しては、パスポートとESTA、もしくはビサに加えて、自治体が発行するワクチン接種証明書、出発1日以内に取得したPCR検査の陰性証明書、米国疾病予防管理センター(CDC)の宣誓書、コンタクトトレースシートが必要になる。
ワクチン接種については、米国入国にあたって3回目の接種は求められていないが、2回目の接種から14日以上が経過していることが条件となる。渡航の際は「海外渡航用」のワクチン接種証明書(書面)を自治体に申請、もしくはデジタル庁の「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」から「海外用」の証明書を取得する。デジタル庁のアプリはマイナンバーカードがなければ利用できないので注意が必要だ。ちなみに、筆者の居住地域では証明書の申請方法は郵送のみで、発行までに2週間程度かかる場合があるとの注意書きがあった(今回は速達で申請し、5日ほどで入手できた)。
PCR検査は施設により価格に幅があるが、コロナ下での初めての渡航であることも踏まえ、ハワイ州が推奨する医療機関にて検査を受けた。検査費用は証明書発行手数料を含め税込み3万3000円。なお、「出発1日以内」とは、搭乗の24時間以内ではなく、文字通り1日以内に検査を行うことを指し、出発前日の0時以降に受けた検査が有効となる。特に土日は検査を行う機関も限られるため、渡航が決まったら早めに予約したい。
宣誓書はCDCのウェブサイトから、コンタクトトレースシートは往路で搭乗する全日空(NH)のウェブサイトからダウンロードし、必要事項を入力、プリントアウトして携帯した。コンタクトトレースシートについては空港でNHの係員も用意していたが、入力項目が多いため、事前に準備しておく方がスムーズだろう。