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新型コロナでどう変わった? この先どうなる? 航空業界・航空人材の雇用―アクティリーゼ 野村勝昭氏

航空人材を支援するポータルサイトCREWNETを有志運営
コロナ禍中は再就職支援にも尽力

 新型コロナウイルス感染症の流行が始まって2年、航空産業従事者も志望者も厳しい雇用状況に置かれている一方、企業は将来の人手不足に危機感を抱いている。航空業界のポータルサイトCREWNETや人材紹介事業を通して、航空産業や航空人材の雇用・就職支援に長年携わってきたアクティリーゼ代表取締役の野村勝昭氏に、昨今の業界の就職事情や業界出身者の再就職について聞いた。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

野村氏

-CREWNETはどのような経緯で始められたのでしょうか。また、現在も有志での運営ですが、理由をお聞かせください。

野村勝昭氏(以下敬称略) CREWNETは、もともとは軽い気持ちで始まったんです。僕は以前、イギリスのヴァージン・アトランティック航空でキャビンクルーとして勤務していましたが、家業の製造業を継ぐために退職して1995年ごろに日本に帰国。航空業界とは縁を断ったつもりでした。そのころインターネットが普及し始めていて、「これから航空業界を目指す人のためにインターネットで僕も何かできるのでは? ホームページを作って情報を集めてみよう」と、思い立ったのです。ちなみに家業では十数年ほど社長を務め、現在は社員に譲って私は人材事業の方に力を入れている状況です。

 CREWNETを有志で運営していることには、明確な理由があります。メディア運営には微妙なバランスが必要です。航空業界という狭い業界内ではなおのことです。CREWNETの運営経費は、メインスポンサーである航空関連の専門学校のバナー広告や航空会社の求人広告ですが、CREWNETをビジネスにしてしまうと、そういった企業の顔色をうかがいながら運営することになってしまう部分が出てきます。メディアとして中立の立場をキープしたいので、事業とは分けています。

 ちなみにアクティリーゼを2018年に法人化したのは、人材紹介を事業として本格的に行うためです。当時、CREWNETに広告を出していただいていた企業から「最近は広告だけでは応募が集められない、CREWNETでもう少し踏み込んで何かやってくれないか」という声が増えていました。

-航空業界、あるいは航空業界を目指す方々に対して、CREWNETはどのように貢献したいと考えておられますか。

野村 航空業界はイメージが先行している業界です。特に、客室乗務員やグランドスタッフ志望の若い方は、いい情報しか耳に入らない、目に入らないという傾向が強いです。われわれは経験者だからこそ、いい面だけでなく悪い面もお伝えしていきたいですし、きちんと考えた上で「それでもこの仕事がやりたい」とおっしゃる方を応援したいですね。

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