3月の宿泊業の倒産は8件、7カ月連続で前年同月を下回る-TSR調査
東京商工リサーチ(TSR)によると3月の宿泊業の倒産件数は8件だった。2021年9月から7カ月連続で前年同月を下回った。負債総額は48億1500万円で2ヵ月ぶりに前年同月を下回った。負債10億円以上の大型倒産が3件発生したが、5億円以上10億円未満がゼロ、1億円以上5億円未満が1件と大幅に減少。
偕楽園観光は1941年に料理旅館として創業し1956年2月に法人化。「徳島グランドホテル偕楽園」を経営し、1998年12月期には売上高8億5000万円を計上したが、その後は同業他社との競争などにより売上規模は縮小。新型コロナの影響により2020年12月期には売上高が5000万円を下回る。また2021年10月には前社長が死去するなど、長引くコロナ禍で回復が見通せないことから事業を断念。負債総額は約23億円。
湯村ホテルは湯村温泉郷入口付近に「湯村ホテルB&B」を運営していたが、大手ビジネスホテルとの競争や湯村温泉郷全体の低迷などにより近年の売上高は2億円台半ばで推移。さらに新型コロナの影響により2020年12月期には6668万円の赤字決算となった。先行きの見通しが立たず甲府地裁へ民事再生法の適用を申請。負債総額は約11億円。
TSRでは倒産件数は前年同月を下回るが、コロナ関連倒産が占める割合は上昇傾向にあると分析。今夏には「イベントワクワク割」が実施され宿泊を伴う人出に期待が高まるものの感染者数の高止まりが続き先行きの不透明感は拭えないとしている。
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