ソリューションビジネスの強化で一本足打法から脱却へ―インフィニ トラベル インフォメーション代表取締役社長 植村公夫氏

  • 2022年3月30日

国内需要V字回復へ向けLCC対応も整備

-日本航空(JL)はアクセス国際ネットワークの営業を終了し、アマデウスと戦略的パートナーシップを結びました。全日空(NH)のグループ会社であるインフィニは、JLとの関係についてどのようにお考えですか。

植村 インフィニにとってJLさんはとても大切な顧客です。今後とも関係強化を図りサポートさせていただきます。引き続き、インフィニでのお取い扱いをお願いします。もちろんNHは同じグループ会社であり、インフィニがNHの推奨GDSであるという関係性も変わることはありません。

-日本市場では中小旅行会社も複数のGDSを使い分けるのが当たり前でしたが、コロナ禍を受けコスト削減が進んでいます。社員教育を考えてもGDSを1つに絞った方が効率は良いはずですが、そうなったときにインフィニを選ぶメリットは何でしょうか。

植村 3つあります。第1にソリューション提供に関する強み。インフィニは日本マーケットに特化したローカルGDSであると同時に、世界で一番使われているセーバーと手を組み、セーバーがグローバル展開している最先端の各種機能を日本マーケットで展開しています。最適なソリューションをご提案、ご提供できる強みがあります。

 第2にサービス体制、サポート体制の充実です。導入から運用サポートまで痒い所に手が届くサポートを行います。和製GDSとして長年にわたり培ってきた日本的な手厚いサポート、日本の旅行ビジネスに最適化したサービスをスピーディーに提供する力は、他GDSにない強みです。

 第3に挙げたいのはインフィニの企業文化です。創業以来、常に大切にしてきたモットーが“Being Together”。これは旅行会社と一緒になって良いものを創っていこう、一緒に発展・成長していこうという強い志を表しています。この精神が社員に根付いていますし、お客様からもそうしたインフィニの仕事ぶりを評価していただいています。長年にわたり受け継いできた企業文化の中で築き上げた旅行会社との信頼関係が大きな強みです。

 たとえて言うなら、大型家電量販店に対する町の電器屋さんの強みに通じるものがあるかもしれません。購入した電化製品の故障や買い替えなど何でも気軽に相談でき、困った時にはたとえ電球1つの交換でもすぐに駆け付けてくれる町の電器屋さん。そんな身近な関係性を目指していますし、何でも気軽に相談していただける存在としてインフィニを認識していただけるように努めています。

-将来的にNDCへの移行は確実に進むと思われますが、中小旅行会社が個々の航空会社と接続するのは非現実的で、アグリゲーターやGDSのNDCソリューションに頼らざるを得ません。インフィニユーザーはNDCへの対応についても安心していいのでしょうか。

植村 NDCへの本格移行を見越して、インフィニでは2つの選択肢を用意しています。1つはアグリゲーター・モデルです。世界最大級のコンテンツ・アグリゲーターであるトラベルフュージョン社と契約し、NDCプロダクトのコンテンツ提供を受けています。アグリゲーター・モデルはユーザー側に手数料が課金されます。もう1つはセーバーを利用したGDSモデルで、航空会社に手数料を課金するモデルです。どちらもお客様の要望に合わせてご提供が可能です。

 その上で、航空会社の動向にあわせて、これまで通りの業務ができるよう支援してまいります。

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