JTB予想、22年の国内旅行は19年比11%減の2億6000万人、物価上昇への懸念も

 JTBは3月18日、2022年の旅行動向の見通しを発表した。国内旅行者数は、ある程度感染症が抑制された状況が続いた場合、2億6000万人と推計。これは21年比97%増、20年比73%増、19年比11%減となる。調査は日本人による宿泊を伴う旅行と訪日外国人旅行について、各種経済動向や消費者行動調査、運輸・観光関連データ、JTBグループが実施したアンケート調査などから推計したもの。今後の新型コロナウイルスの感染状況の想定が困難なことから、現状から悪化することを想定せず、国内旅行のみを対象として算出した。

2022年 年間旅行動向推計数値 ※国内旅行のみを対象(プレスリリースより)

*ある程度感染症が抑制された状況が続いた場合を想定。
*前年比は小数点第二位以下を四捨五入。国内旅行人数は宿泊を伴う旅行者の人数(観光および帰省目的の旅行に限る)

 21年については、旅行のピーク期間を含む大半において緊急事態宣言などが発出され、旅行者数が低迷。その後9月末で緊急事態宣言が全面解除となってからは回復に転じ、12月の延べ宿泊者数は19年を超えたものの、オミクロン株の流行で本格的な旅行回復の道筋は見えていないと総括した。

 一方で、20年のGo Toトラベルキャンペーン実施期間中は消費支出が伸びていたことから、外出や旅行に関わる消費が感染拡大で抑えられていると分析。22年はオミクロン株に出鼻をくじかれたが、感染状況が落ち着いた後の旅行消費の高まりが期待されるとした。また、21年10月のJTB総合研究所の調査では、今後の旅行を検討している人は4割にのぼり、旅行需要の高さが窺えるという。

今後予定・検討している国内旅行の時期(性年代別)(単数回答) (プレスリリースより)

 懸念要素として挙げられるのが物価の上昇だ。昨年12月の消費者物価指数は前年同月比で0.5%上昇しており、4ヶ月連続の増加となっている。同社はこうした物価の上昇が家計を圧迫し、旅行消費に水を差す恐れがあると見ている。

 なお、今年のゴールデンウイークは5月2日(月)、6日(金)を休めば10連休、8月のお盆期間は12日(金)を休めば4連休となる。一方、9月の祝日による連休については、「遅い夏休みを取る人も想定されるが、長期休暇が取りにくい日並び」とコメントしている。