【ローマ現地レポート】コロナ不況下にもかかわらずオープンした元気なホテル
はじめまして。ローマにて旅行代理店ALPHANET(アルファネット)の代表を務めています中西と申します。この度皆様にローマからはじめて「現地レポート」をお伝えすることとなりました。よろしくお願い致します。
ご承知の通りローマ帝国発祥の地であるローマの中心には当時の遺跡が多く残っています。2000年を超える歴史の積み重ねは、抽象的な意味合いだけではなく、実際土の積み重ねでもあるようで、ローマの有名な観光スポットの1つであるナボーナ広場では「歴史の深さ」を目の当たりにすることができます。
ナボーナ広場は実はローマ帝国時代の競技場が「土台」となっていまして、広場の北側に面した道路沿いから、この競技場の遺跡を見ることができるのです。写真では分かりにくいかもしれませんが、競技場は道から4.5メートルも降りたところにあります。つまり、2000年程かけて土が4.5メートルも積もったということになります。
このナボーナ広場から歩いて数分のところにあるトッレ・アルジェンティーナ広場も「歴史の深さ」を見て実感していただけるスポットです。
もちろん理由はこれだけではないでしょうが、このように地面を掘れば必ず何かがでてくるようなローマの中心には地下鉄が2本しかありません。(注:ローマ郊外からローマの中心を結ぶ地下鉄C線の延伸工事が続けられています。ただ、2024年に予定されているコロッセオ駅までの延伸が完了してもツーリストへの利便性向上はわずかに限られます。)
そのため、車両交通量の増加による大気汚染対策、また交通渋滞解消という理由のもとに、2019年までは観光バスに対する規制も年々厳しくなり、ローマ中心部の観光は実質徒歩もしくは公共交通機関を利用するしかないということが2020年から想定されていたのですが、コロナウィルスの世界的な感染拡大に伴う事態で意味をなさなくなってしまいました。(今後、待望する観光目的での国際移動が再開され、以前のように世界からツーリストがローマを訪れるようになりますと、観光バス規制がどのようになるか注視する必要はあります。)
2020年3月から4月のロックダウン、2020年10月から2021年3月までの大幅な規制再適用を経て、2021年の夏にはイタリア国内およびヨーロッパ域内からのツーリストが、限定的ではあるものの、ローマに戻ってきましたが、アメリカやアジアからの観光客はほぼゼロの状況が続いています。
ところが、この観光業未曽有の2年間に、その観光が第一の産業であるローマの街中にホテルがいくつもオープンしました。今回は、このような逆境に挑戦するポジティブ・マインドにあふれた新しいホテルがあることを知っていただくことで、観光業にたずさわっていられる皆様の元気の源となればと考え、「コロナに負けないローマの新しいホテル」3件を紹介したいと思います。
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