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【フランス現地レポート】100年ぶりの祝祭:パリ・オリンピック2024

  • 2022年2月10日

 北京冬季五輪で、連日熱戦が繰り広げられる中、1900年、1924年、2024年と、今回で3回目を迎えるパリ五輪の開幕まで900日を切った。パリ・オリンピック2024(7月26日〜8月11日、パラリンピック:8月28日〜9月8日)は、人類最大のスポーツの祭典であるだけでなく、前回大会から100周年の壮大な記念イベントでもある。

東京五輪からアスリートの帰還とオリンピック旗のパリ到着 ©Paris 2024

セーヌ川での開会式、パリは文字通り「移動祝祭日」に

 パリ2024は夏季大会としては初めて、スタジアムの外で開会式が行われる。合計1万500人の各国の選手団は160隻の船に分乗して、約6キロの区間でセーヌ川下りが予定されている。パリの東側オーステルリッツ橋を始点として、シテ島・サンルイ島を巡り、ノートルダム寺院、ルーヴル美術館、コンコルド広場、アンバリット、グランパレ、終点となるイエナ橋まで、代表的なランドマークを背景に取り込みながら、西側へと水上の「入場行進」が繰り広げられる。フィナーレはトロカデロ広場。セーヌ川に架かるルート上の8〜10の橋の上では、様々なイベントやパフォーマンスが計画されており、河岸下部や橋の上には有料の観客席が設けられる一方、岸壁の上では無料観覧が可能に。その結果、フランス・スタジアム(Stade de France)の約10倍、60万人以上が直接開会式の入場行進に臨むことが見込まれる。

セーヌ川と橋、パリを象徴する史跡が織りなす壮観。史上初、夏のオリンピックの開会式が競技場の外で開催される
©Paris 2024 Florian Hulleu

開会式はエッフェル塔を臨むトロカデロ広場でフィナーレを迎える
©Paris 2024 E.Renard-Luxigon

 街全体を会場に見立て開放感と市民参加をコンセプトに、80の巨大スクリーンと音響システムを配してパブリックビューイングを実現、世紀の祝祭の瞬間を共有・満喫できるという。

 エンブレムはオリンピック・パラリンピックとも同一のデザインで、「金メダル」、「聖火」、「フランスの象徴マリアンヌ」の3つを融合させたもので、タイポグラフィは前回大会が開催された1920年代のアールデコ・スタイル。世論調査会社のリサーチによると、フランス人の約83%がこのデザインに好意的とのこと。五輪マスコットは2022年の前半に発表される予定。



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