ドローン、EC、宇宙旅行……来るべき回復期に備え新たな旅行価値を作り出す-エス・ティー・ワールド鹿島義範代表、瀧川雅男取締役

  • 2022年2月1日

旅行業とシナジーのある新規事業を続々展開、多角化経営の基盤に

-空中ドローンはどのようなビジネスに活用されているのでしょうか。
空撮で捉えた和歌山市

瀧川 一般的に多いのは測量や農薬の撒布などです。観光産業の関連では、ホテルの空撮にも使われています。また、町おこしの野球大会をドローンで撮影し、参加者に提供するという試みもあります。プロスポーツなどではできませんが、学校や地域のスポーツ試合を撮影して練習に活かすといった活用法も考えています。

 当社では空撮を目的としたドローンツアーも催行しています。事前に飛行許可を得て、インストラクターが同行し、景色の良い場所でドローンを飛ばして撮影を行うというものです。

 こうした取り組みを通して、ドローンが新たな旅行の楽しみの1つになってくれると面白いなと思っています。今後はモルディブの無人島での撮影ツアーなど、海外でのドローンツアーも広めていきたいです。国内外のスタッフにもドローンの研修を実施し、各地の良い素材を集めたいと思っています。それが旅行業界の発展にも繋がるのではないでしょうか。

-撮影ツアーの集客状況はいかがですか。

瀧川 まだまだですね。現在行っているのは和歌山発着の1日ツアーですが、今後は北海道や奄美大島などでも実施したいと思っています。また、スクール業務以外に、撮影代行なども増やしていきたいと考えています。

 海外の撮影ツアーについては、今年7月頃から開始したいと思っています。ただし、海外についてはドローンを飛ばすことを主たる目的にするのではなく、オプショナルツアー的な展開を考えています。また、ウエディング関係での撮影も需要があると見ています。

-撮影ツアー以外での今後の展開についてお聞かせください。

瀧川 配送事業や農薬散布などでの活用について調査しています。また、ドローンの写真素材はまだ少ないので、観光地の空撮もビジネスになると考えています。ドローンに力を入れている市町村もありますし、素晴らしい景色があるのに一般に知られていない地域も多いので、自治体とのタイアップも進めていきたいと思っています。

-ドローン以外で検討している新規事業についてもお聞かせください。

鹿島 宇宙事業には大いに興味を持っています。現在はスペースXのロケットで散骨を行う会社と提携して、ロケット打ち上げの見学ツアーや宇宙葬を手掛けています。今後はそこから宇宙旅行にも繋げていきたいと考えています。

-観光産業に従事する方々へのメッセージをお願いいたします。

鹿島 コロナで大変な時期ですが、必ず海外旅行の需要は戻ってきます。それまで当社ももちろん、来たる特需に備え、今できることを進め、新たな旅行価値を提供できるように前を向いていきましょう。

-ありがとうございました。