【コラム】皆さんはエコバック使ってますか?

  • 2022年1月20日

観光産業が目指すべきは復興では無く創生

 長らく積読となっていた【人新世の「資本論」】(斎藤幸平著)を先週ようやく読みました。お読みになった方もいらっしゃると思いますが、乱暴にまとめると地球の温暖化は待ったなしで、先進国に住む我々の利便性や経済成長を犠牲にしない解決策は無い、という内容です。

 日本に暮らし、国内メディアを主たる情報源としていると、環境・温暖化に対する危機感は感じにくく、エコバックを使ったり、プリウスに乗り換えることでなんとかなると思ってしまいます。しかし、どうやらそのような行為はグリーンウォッシュに過ぎず、根本的な解決には全く寄与しない、下手をすると逆効果なのかも知れません。

 また、岡田斗司夫さんという方をご存知でしょうか。Wikipediaによると、プロデューサー・評論家・文筆業・実業家等様々顔を持つ方のようです。

 この方のYouTubeゼミが面白いのでたまに見ているのですが、1月にアップされた「コロナ戦争とホワイト革命」を視聴しました。こちらも乱暴且つ観光産業に関わる部分だけをまとめると、コロナは第三次世界大戦のようなもの、過去の大戦と同じく終息には4年かかり、戦後(コロナ後)はコモンセンスが変わる。誰もが気軽に海外へ行く、海外から物資を縦横無尽に調達する、それが当たり前で正しいことだと思わない人が増え、グローバリズムは終焉を迎える。

 ここで紹介したお二人の主張や想定の正誤はもちろん私には判断できませんが、少なくともこのように考えている方が居るという事は事実です。

 パンデミックが2年も続けば、流石に収束後はなにもかも元に戻るとは考えていませんが、もしかすると今想定している変化は3年・5年のスパンで考えると、はなはだ見当外れなのかも知れない。無意識に都合の悪い情報はミュートし、自分や自社が対応出来ると思える幅の中で変化を想定していた気がしてなりません。

 当たり前ですが、自分や自社・産業が対応出来ないような変化は訪れない、なんてことは無いわけですし、大きな変化は痛みだけでなく新たなチャンスももたらします。復旧や復興を目指すのではなく、創生・フルモデルチェンジこそが観光産業が見据えるべき未来なのでは無いでしょうか。

岡田直樹
㈱エフネス代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人。27歳でエフネスの前身㈱ルゥエストを創業し、31周年にあたる今年に至る。旅行素材のホールセール、観光関連企業への決済サービス提供、緊急対応代行、業界誌トラベルビジョン運営等々、主に観光産業内のB2B事業に携わる。
㈱ティ・エス・ディ代表取締役、一般社団法人インバウンドデジタルマーケティング協議会理事、㈱ミックナイン社外取締役​