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全日本ホテル連盟(ANHA)会長 清水嗣能氏

  • 2022年1月4日

2022年頭所感「存在意義」

 私は「存在意義」という言葉をよく使います。それだけ個人としても、連盟の会長としても意識しています。昨年、当連盟で定めたビジョンの「会員ホテルの成長と挑戦を促し、日本および地域に新たな風を起こすイノベーターになる。」に基づき、全日本シティホテル連盟からシティを取って全日本ホテル連盟へと会の名称を改めました。シティホテルの集まりでなく、それぞれの個性豊かなホテルの集まりとして最大公約数であるホテル連盟としました。

 実際、ビジネスホテルを主体とする連盟にあってシティホテル連盟では、個々の会員ホテルとして違和感がありました。名は体を表します。名称そのものに、目指すべき姿が刻まれています。全日本ホテル連盟はその名称を分解すれば、日本全国のことを考え、ホテルのことを考え、連盟のことを考える組織です。そうであってこそ、連盟としての存在意義が高まります。

 コロナ前、東京などの大都市ではインバウンドの急増とオリンピックを控え、ホテルが爆増しました。2016年比で、東京が1.3倍、大阪が1.4倍、京都に至っては1.6倍と言われています。が、コロナでインバウンドが蒸発し、稼働もADRも半減しました。さらに、政府は、人の流れを止め、在宅勤務を推奨し、テレワークやオンライン会談が進展したことにより、出張客が激減したにも関わらず、GoToでは「会社を助けることが、GoToの目的ではない。」として会社名での領収書発行を禁止しました。このことにより、出張に急ブレーキがかかったことは記憶に新しいでしょう。

 観光庁と宿泊4団体(全旅連、旅館協会、ホテル協会、全日本ホテル連盟)とGoToについて協議する場が10月11日に開催されたときのことです。私は上記の問題を指摘し、改善を求めましたが、観光庁では「個人名でも認める会社が多いのでは」としてこの問題を避けています。それではということで、急遽、連盟会員に「会社名での領収書発行禁止問題」についてアンケートを実施したところ、多くの回答が得られ、そのうち88%もの会員が「会社名で領収書を発行されなければ経費として認められない。」とお客様から言われ、その苦情の対応に時間的、精神的労力を費やしたという実情が明らかになりました。これをもってあらためて観光庁を訪れ担当者と話しましたが、未だ埒が開かない状態です。

 日本の経済復興を考えるにあたり、出張が活性化することにより、地域の飲食店の利用が増え、公共交通機関も利用されるようになると、二階先生はじめ主立った観光産業関連議員に陳情しています。4団体の中で、この件を問題視しているのは、われわれの連盟だけです。他の団体は観光中心であり、GoToでも恩恵を受けていますが、われわれの会員はGoTo開催期間に売上がその前年よりも下がったというところが、上がったところよりも多くありました。

 このように、業界が抱える問題に関し、国に対し意見を申し述べるということが、全国組織としての大切な役割であり、連盟の存在意義であると考えています。私どもの連盟は、やがてインバウンドが復活した際、観光立国実現を支える大切なインフラとして、観光立国の実現ならびに会員ホテルの成長と発展を支援して参ります。