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国土交通大臣 斉藤鉄夫氏

  • 2022年1月4日

 令和4年という新年を迎え、謹んで新春の御挨拶を申し上げます。
 本年も国土交通行政に対する皆様の変わらぬ御理解と御協力を宜しくお願い申し上げます。

 昨年からの新型コロナウイルス感染拡大は、依然として我が国の社会経済や国民生活へ甚大な影響をもたらしております。引き続き感染防止対策を行いつつ、通常に近い社会経済活動と国民の皆様が安心して暮らせる日常を取り戻すため、政府一丸となって全力で取り組んでまいります。

 本年は、特に以下の3本の柱を中心として諸課題に取り組んでまいります。

①コロナ禍からの社会経済活動の確実な回復
②国民の安全・安心の確保
③未来を創る経済好循環と明るい希望の持てる社会の実現

①コロナ禍からの社会経済活動の確実な回復

 国土交通省としては、感染状況を常に見極めながら、コロナ禍により深刻な影響を受けている観光と公共交通の確実な復活を図るなど、必要な施策を講じてまいります。

(観光の存続と復興)
 観光は、我が国の成長戦略の柱、地方創生の切り札であり、感染拡大防止と経済の回復の両立を実現する必要があると考えております。

 新型コロナウイルス感染症の影響により深刻な影響を受けている、全国で約900万人の方が従事する観光関連産業の雇用の維持と事業の継続に関する支援とともに、感染拡大防止と経済の回復の両立の観点から、「新たなGo Toトラベル事業」等による観光需要の喚起を図ってまいります。

 加えて、アフターコロナを見据えて、地域の関係者が連携して実施する宿泊施設を中心とした観光地のリニューアルや新たな観光コンテンツの創出、観光地の高付加価値化とともに、国内外の感染状況等を見極めつつ、インバウンドの段階的な回復を戦略的に進めてまいります。

 第一に、観光地や地域経済の維持・復興を実現することが必要であることから、今後も観光需要喚起策を進めていくこととし、感染状況等を十分に確認しながら、段階的に、その支援対象となる旅行の範囲を拡大していきたいと考えております。

 まず、都道府県が行う、いわゆる県民割について、これまでは県内旅行のみを支援していましたが、昨年11月から、隣県からの旅行も支援の対象に追加しました。また、今後は、感染状況等を踏まえつつ、適切なタイミングで、県民割の支援対象を近隣圏域、いわゆる地域ブロックへ拡大し、その後、年末年始の感染状況等を改めて確認した上で、全国規模での「新たなGo To トラベル事業」を実施していきたいと考えております。

 さらに、インバウンドの本格的な回復までの間に、国内観光の新しい需要の掘り起こしが必要です。コロナ禍で生じた働き方や生活に対する人々の意識変化等の新しい動きも踏まえ、ワーケーション等の「新たな旅のスタイル」の普及促進や、いわば「第2のふるさと」として「何度も地域に通う旅、帰る旅」というスタイルの推進・定着にも取り組んでまいります。

 第二に、地方の経済がコロナ禍から力強く立ち直り、成長と分配の好循環や豊かさを実感できる地域を実現するためには、地方創生の牽引役となる観光地の再生が不可欠であり、これを支える観光産業の強化を推進していくことが必要です。

 このため、アフターコロナを見据え、観光を通じた地域活性化と観光産業の強化について検討を進めるとともに、観光分野においても、デジタル技術の積極的な活用により、宿泊業における生産性向上、安全・安心な旅行環境の整備、観光地経営の高度化を図ってまいります。

 第三に、観光地の顔となる宿泊施設を中心とした、地域一体となった観光地再生・高付加価値化に向けた、宿泊施設の改修や廃屋の撤去等の取組を強力に支援するとともに、地域の稼げる看板商品の創出を図るため、自然、食、歴史・文化・芸術、生業、交通等の地域独自の観光資源を活用したコンテンツ造成から販路開拓まで一貫した支援を実施してまいります。

 第四に、外国人旅行者が我が国に入国できない状況が続いておりますが、インバウンドの回復に備え、訪日外国人旅行者の受入環境を整備してまいります。あわせて、地方の経済・雇用に寄与し、所得を上げる等の観点から、高付加価値なインバウンド観光地づくりのため、宿泊施設整備促進や人材育成等の支援を実施してまいります。

 加えて、我が国の安全・安心への取組に関する情報のほか、地域の魅力の発信等、旅行消費額増加や地方部への誘客を促進するため戦略的な訪日プロモーションの実施や対面とオンラインを組み合わせたハイブリッド型のMICE開催を推進してまいります。

 引き続き2030年6000万人、15兆円等の目標を堅持しつつ、観光立国の実現に向け政府一丸となって取り組んでまいります。

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