アメリカの「今」を駐在員の視点からー国内外の旅行者で賑わうユタ州の国立公園、ロサンゼルスではBTSに大行列

ユタ州の国立公園

 大会後、ユタ州アーチズ国立公園、ブライスキャニオン国立公園、ザイオン国立公園へ立ち寄りながらラスベガスへ戻りましたが、オミクロン株の拡大が世間を騒がせている中でもその美しさは変わらず、何処もアメリカ国内やヨーロッパ等からの旅行者で大変混雑していました。ザイオン国立公園は特に混雑しており、駐車スペースは路肩を含めても全く見つからず、園内を走る無料シャトルも長蛇の列が出来ていました。園内のカフェ、ザイオンロッジでハンバーガーを購入した際は、注文してから受け取るまでに約40分掛かりました。

 ユタ州では基本的に屋内でのマスク着用が義務付けられておらず、ホテルやレストラン、ガソリンスタンドでマスクを着用している人は全体の2割前後という状況で、着用が義務付けられているラスベガスから来た身としてはかなり驚かされました。

ユタ州ザイオン国立公園 キャニオンオーバールックポイントよりの絶景

デリケートアーチでの夕陽を見るために往復約5キロのトレイルを登る観光客

ロサンゼルスエリア

 11月下旬から12月初旬にカリフォルニア州ロサンゼルス近郊のイングルウッドにあるSoFi-Stadiumで、世界的人気K-POPグループ「BTS」のコンサートが4日間行われました。SoFi-Stadiumは、ロサンゼルス空港からほど近い「ハリウッドパーク」と呼ばれた競馬場の跡地を再開発した事業の一部として、竣工費50億ドル(5300億円)以上をかけて2020年7月にオープン。アメリカンフットボールをはじめとしたスポーツエンターテイメントスタジアムで、収容人数は7万人を超える(アリーナ席やなど追加すれば最大10万人まで収容可能)世界有数の規模を誇ります。

 スタジアム内には中央の天井から吊るされている「オキュラス」と呼ばれる4K HDRの楕円形状のビデオシステム、360度どの角度からでも見られる大型スクリーンがあります。屋根はLED内蔵の半透明なパネルで出来ており、映像の投影等も可能との事です。

 最近では10月にThe Rolling Stonesがコンサートを行い、来年2月にはハーフタイムショーなどで有名なアメリカンフットボールの最高峰スーパーボウルの開催、4月にはCold Playのコンサート、7月にはRed Hot Chili peppersのコンサートと続々とビッグイベントが控えています。さらに2028年のロサンゼルス五輪では開会式・閉会式会場となる予定で、ロサンゼルスエリアが誇る注目のスタジアムです。(スタジアムの動画はこちらから)

SoFi-Stadium外観

 BTSとしてもコロナウィルスの拡大により約2年ぶりのファンとの対面コンサートという事で注目され、日本からもファンの方が多数お越しになり、海外渡航需要が消失してしまっていた中で、ロサンゼルスエリアとしては、多くの日本人の方が現地に訪れる機会だったのではないかと思います。

 もちろん日本人だけではなく、アメリカ国内やアジア圏、世界各国からファンの方がお越しになったと思いますが、日系旅行会社(車両会社、ガイド含め)としても、コンサート開催4日間を含む前後日程は各社忙しく過ごした事と思います。

 BTSの今回のコンサート収益は一部ニュースでは約3300万ドル(約35億円)以上と言われており、実際に当地で様子を垣間見る機会があった者からすると、むしろ広域近隣まで見た場合はとてつもなく大きな経済効果があったのではないかと思います。

コンサート当日のSoFi-Stadiumの様子

 コンサートの開催予定がない日には物販もあり、早朝のスタジアム開門前より長蛇の列が出来て、平均5時間から6時間、長い方だと8時間後に、やっとグッズ購入ができたという話も聞く程の大行列でした。日中の寒暖差が激しいこの時期のロサンゼルスエリアではかなり大変な思いをされた方も少なくないと思われます。写真を撮影したのは11月26日、サンクスギビングデー後のブラックフライデー当日でしたが(アメリカでは1年の中で最もセールが行われる日で、どこのショップも長蛇の列になります)、この日のロサンゼルス近隣では、この物販がどこもよりも長い列だったと思わされるほどの行列でした。

物販日のグッズを求める方の大行列

夕刻になっても長蛇の列。世界的な人気が垣間見えました。

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