コロナ後に選ばれるのはサステナブルな企業、フィンエアーがセミナー開催
フィンエアー(AY)はこのほど、旅行会社向けにセミナーを開催。今後の運航計画やフィンランドの旅行者の受け入れ状況、サステナビリティへの取り組みなどについて紹介した。
セミナーの冒頭、AY日本支社長の永原範昭氏は、「緊急事態宣言も開け、皆さんと直接お会いできることを喜ばしく思う。AY独自で開催したイベントは2019年のクリスマス以来約2年ぶり。コロナで様々なことがストップしたが、再び動き出した際にはフィンランドのこと、AYのことを真っ先に思い出してほしいという思いで開催した」と挨拶。昨今日本ではサウナやデザインをはじめとする文化芸術だけでなく、サステナビリティの取り組みなど様々な方面からフィンランドの話題を目にする機会が多くなったことに触れ、「今後業務渡航であれ観光であれ、CO2の排出という面にお客様の目は間違いなく向いていくと思う。AYの最新の飛行機に乗っていただくことでCO2削減に貢献できると確信している」と語った。
AY東京支店旅客営業部の北川昌彦氏は、フィンランドの入国状況、AYの運航状況、空港や機内での対応などを説明。今年9月の実績は世界全体で乗客数約30万人、昨年同月比158%増で、フライト数は1日平均144便だったといい、搭乗率はアジアでは約20%であるものの、ヨーロッパ方面では65.5%、フィンランド国内では70.7%まで戻ってきていると報告した。日本路線については、2021年冬季スケジュールでは成田から週4便、関空から週3便運航しているが、11月より成田はデイリーに、関空は週4便に増え、2022年3月には関空もデイリーに戻す計画だ。名古屋は運休中だが、2022年2月に2年ぶりに復便する。2022年夏季スケジュールでは週40便の運航を予定しており、「AYが日本マーケットに期待していることが現れた運航計画になっている(北川氏)」という。
フィンランド大使館商務部・フィンランド政府観光局(Visit Finland)の沼田晃一氏、ノーラ・シロラ氏からは、フィンランドの現状と今後のプロモーション展開が紹介された。フィンランドでは10月上旬時点で12歳以上のワクチン接種率がほぼ80%に到達しており、入国制限の緩和も進んでいる。シロラ氏が昨年冬と今夏にフィンランドに渡航した際も、入国時に並ぶことはなくスムーズだったそうだ。現地ではほぼ平常通りの生活に戻り、リモートワークも解除。野外イベントの制限も特になく、外を歩く際はマスクを外すようになっているという。今後Visit Finlandでは、旅行再開に向け、フィンランドウィークエンド in 埼玉、Visit Finlandトラベルウィークなどのイベントを予定している。なお、新型コロナウイルスに関する渡航情報については、Visit Finlandのウェブサイトで「コロナ」と検索すると確認ができる。
AY旅客営業部の木下俊作氏は、AYのサステナビリティへの取り組みを紹介。同社では2025年までにCO2の排出量を2019年比50%削減、2045年までにカーボンニュートラル達成という目標を掲げ、バイオ燃料(SAF)の開発などにも協力している。また、ヘルシンキは日本からヨーロッパへの最短最速のルートであることに加え、燃費の良いA350型機で運航することでCO2排出を少なく移動できるとして、「旅行会社もサステナビリティを航空会社を選定する判断材料の1つとし、ツアー商品にもCO2排出量などサステナブル情報の記載をお願いしたい」と呼びかけた。
続いて沼田氏とシロラ氏からは、フィンランドにおけるサステナビリティの取り組みが具体例を挙げて紹介された。Visit Finlandでは今後、サステナビリティのための努力をしているフィンランドの企業やデスティネーションを日本市場に紹介し、商品化につなげる活動を進める予定だという。