【香港現地レポート】コロナ対策により、対照的な状況の香港とマカオ
2021年の半分以上が過ぎました。中国本土から約62キロ離れた香港とマカオの観光市場の現状は大きく異なります。現在、マカオは中国からの観光客を受け入れ、 一方で2020年3月以降、香港は地元以外の居住者による香港への訪問を禁止してきました。香港の観光市場が外国人観光客に依存していることもあり、香港はコロナの影響を多大に受けました。
※この記事は10月10日の情報を基に執筆しています。
対照的なマカオと香港の観光市場
マカオは現在、中国人観光客にとって唯一の低リスクのアウトバウンド旅行目的地です。PCR検査陰性証明を取得すれば隔離は必要ありません。2020年9月23日に中国からマカオへの旅行ビザの申請を再開して以来、マカオを訪れる観光客の数は徐々に増加しています。ギャンブルのために海外に通っていた一部の中国人観光客は、コロナ流行の影響で海外に行くことができず、目的地をマカオに移し、マカオのギャンブル観光を大いに促進したことが判明しました。
2020年3月以来、香港は非地元住民の香港への旅行を禁止しており、旅行ビザは発行されておらず、国境を越えた旅行は長い間再開できないままです。香港の観光産業は「外の人は入れず、中の人は出られない」という状況にあります。ゴールデンウィークの間、尖沙咀の人通りはまばらで、銅鑼湾と尖沙咀のショッピング地区には過去の賑やかな喧騒はありませんでした。香港の地元住民のみの消費力はそれほど強くないため、多くの場合商品は割引価格であっても売れません。観光産業の状況が芳しくない時に値下げや販促が効かず、企業は不利益を被っています。将来、香港が中国からのインバウンド観光を解除したとしても、観光産業の回復は依然として厳しいものになるでしょう。中国の観光客を魅了していた香港ディズニーランドや香港オーシャンパークなどのアトラクションは、中国の遊園地市場の急速な発展の影響を受けることが予想されます。また 「ショッピングパラダイス」の魅力も徐々に弱まっています。2000年から2018年にかけて、インバウンド観光客の総消費量の60%以上が買い物に費やされました。海南での新しい免税政策の実施以来、海南は新しい免税ショッピングの楽園になり、中国での免税ショッピングへの欲求は香港から海南に移りました。インバウンド再開後、中国のショッピング目的の観光客の人々が何人戻るのか注目されます。
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