20代社員が振り返る今週のニュース ー なんで我々はこの業界に残るのだろう
昨夜アップした、私が担当させて頂いている若手のキモチ! シリーズ第2弾が、半日ほどでこの1週間の人気記事をごぼう抜きしました。書き手としては喜ぶべきかもしれませんが、記事の内容を考えると手放しで喜んでいいのか、という気持ちもあります。
インタビューイーのBさんの気持ちは私が代弁するものでもありませんし、詳細は記事で読んでいただければと思いますが(メールニュース会員限定記事なので、ログイン後にお読みください)インタビュー中も同世代として思うところが色々とありました。
前向きにこの業界と向き合い続けるなら私達が考えるべきことは「観光産業をどうしていくか」になるわけですが、現実的に色々な問題を考えると「そもそもこの業界にいていいのか」と考えるわけです。私もまだ20代で、今ならギリギリ他業界で働いて1からスタートしてもどうにかなるだろうと、思わないでもありませんでした。結局はこの業界に残ることを選んだわけですが。個々人で事情は違えど、やはりこの業界に残るのはそれなりに理由があります。
日本においては、一般的に雇用を守るために経営者は努力すべきだという考えが一般的ですし、法律や助成制度を見てもそうであることは明らかです。でも、現実的にこのコロナという過去にないほどの大きな問題の前では、雇用を守りきれなかった企業も多いかと思いますし、弊社もそのうちの1社です。
これはもう今更どうしようもないことでしょうが、ここで業界として考えるべきは「コロナ後の人材」だと私は考えます。アメリカではデルタ航空が客室乗務員を1500人新規採用する計画を明らかにするなど、今後の需要増に対応する動きが見られますが、日本の観光産業は同様のことができるでしょうか。いくら人手が足りなくなっても、この業界に我々が望むような人材が、今の給与水準や労働環境で雇用できるのでしょうか。もしこの業界全体がよく言われる労働環境の問題が是正されなければ、どんどん業界全体の人口が減り、残った人に皺寄せがきて、また人が辞めていくという悪循環になりかねません。観光産業内での再就職のためのリカレント教育プロジェクトを大阪観光大学でスタートされますが、再就職先として希望される業界でなければどうしようもありませんし、業界全体が問われるところですね。
今のところ、若手のキモチ! シリーズでインタビューさせて頂いた方はまだ未掲載のものも含めて全員業界に残られている方です。やはり残った方ばかりにお話をお聞きするのも偏りが出ますので、観光産業を離れられた若手の方にも是非お話を伺いたいと考えています。もちろん現在観光産業にいらっしゃる方もまだまだ募集しておりますので、1987年以降生まれの方でご興味をお持ち頂いた方はこちらのアンケートフォームから是非応募・お問い合わせください。
若手のキモチ! シリーズは3週連続で掲載される予定なので、来週もお楽しみに。自分が書いた記事にばかり触れていても仕方がないので、海外のディスティネーションの話を。この1週間でグアム政観の金子氏のお話とハワイの現地レポートがあり、どちらも人気のディスティネーションだけあって多くの方に読んでいただいたのですが、それぞれ読むと明暗別れたな、という感じです。
グアムはかなり前向きなニュースです。ワクチンの接種率が80%を超え、PCR検査の補助もあり、帰国後の隔離などがなくなれば一気に日本人旅行者が狙うディスティネーションの1つとなることは間違いないでしょう。
一方、ハワイはワクチン接種率は60%を超えるものの、以前当コーナーでも触れたとおり現状は旅行者の受け入れとしては一歩後退といったところです。知事による渡航自粛要請もあり、再び旅行者を大々的に受け入れるようになるのはいつになることか……
私としては、グアムはハワイの二の舞にならないことを願っています。というよりも、ワクチンを接種しても海外渡航は無理です。治療薬が開発されて世界に普及するまで海外旅行は諦めましょう、なんてことにでもなられたらたまったものではありません。
ですが、実際にコロナで亡くなられる方が大勢いる以上、安易にワクチン打ったらいいでしょ、とももちろん言えません。平和産業に属する我々が平和を乱すようなことはできません。
あとは、ワクチンが症状と後遺症をどこまで抑えられるか如何なのでしょう。ワクチンで抗体ができれば、発症しても軽症で後遺症もないということが世界的に確認されれば、旅行解禁への大きな一歩になるはずです。今はただただ、ワクチンの普及を願い、効果の強さを信じるばかりですね。