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旅行者がデスティネーションを選ぶのか、デスティネーションが旅行者を選ぶのか 「事業再構築に向けた勉強会」レポートvol.2

  • 2021年8月23日

 7月の発行人コラムで参加者を募った「事業再構築に向けた勉強会」の様子を5回に渡ってお届けする本企画、第2回のテーマは旅先の土地に「選ばれる」ということ。オチなし、結論なし! 読んで真似をしてみても、明日から稼げるということは決してない。だが、試行錯誤を重ねながら挑戦を続ける彼らの姿が、何かしらの発見や閃きに繋がることはある……かもしれない。



オダギリ
オダギリサトシ氏
株式会社インプリージョン 代表取締役
大阪への観光客誘致をする会社の社長兼日本全国の観光まちづくりアドバイザー兼日本中に友達のいる「ふるさと」を作るプロデューサー
鶴田
鶴田宏和氏
鶴田ホテル 経営企画室長
別府の老舗旅館の一人娘と結婚して婿入りした人兼音楽イベント企画会社の社長
大賀
大賀圭一朗氏
サクラbar オーナー
北新地の飲食店店長や色々をしている人
高田
高田直也氏
株式会社神姫トラベル 代表取締役
バス会社系列の旅行会社の社長をしている人
矢追
矢追剛氏
株式会社リベロヴィアッジ 代表取締役
海外業務渡航一筋の旅行会社の社長兼唐揚げ屋の店長をしている人
岡田
ファシリテーター
岡田:トラベルビジョン発行人

【会場】大賀氏がオーナーを務める「サクラbar」(感染対策をした上で実施)

土地に「選ばれる」から引き寄せられる
鶴田
鶴田氏

実は、今まで何をせずとも「別府」というネームバリューでどんどん人が来てくれていたんですが、コロナ禍によって「あ、幻想だったんだな」というのが分かったんですね。これからはそこであるべき理由がないと、人はもう来ないんだなと。団体旅行の時代は「一緒に行く人と同じ体験をする」という価値があった。社員や家族と一緒に体験や思い出を共有するのがバリューだったけど、今は共有すべき価値の中身が変わってきて、どんどん個人化、多様化してきている。

今のこの業界って、送る側も受ける側も楽しんでいるのかということや、お客さんに対して何の価値を提供して、いくらもらうのかがはっきり見えてこないケースが多い気がします。

岡田
岡田

鶴田さんは常々「観光業界で飯を食う者こそ、遊び人でないといけない」と言ってるよね。

鶴田
鶴田氏

そうです。日本の旅に足りないものは遊び。例えば別府温泉といえば「美味しいもの食べて、温泉に浸かる」とか「湯めぐり」と思われがちだけど、温泉は日本中どこにでもあるし、食事も美味い。だからそういうものじゃなく、「選ばれし人」しか出会えないその土地ならではの素敵な体験がある、真に別府に「選ばれし者」だけが開けるドアがあって、そこを潜り抜けると全然違う風景が見える、というイメージと言えばいいかな。

ただ、そこに誘導できる人がいないんですよ。そういう意味で、旅に関わる人たちが「正しく」遊べているのかは疑問だなと。

オダギリ
オダギリ氏

言葉の紡ぎ方が巧い。

鶴田
鶴田氏

サラリーをもらうためにそこに属している人から「これ、面白いと評判です」と無難に勧められるスポットより、旅行者自らがリサーチ力を駆使してSNSとかで探して知る方が早いし、心理的にも近い感じがしちゃいますよね。それでたまたまガチっと旅行者とその土地の何かがハマって、感覚的にしっくり来たり、出会った地元の人たちと縁が紡げて、それが「また戻ってきたい」「戻ってきてほしい」に繋がったり、もしかしたら仕事のきっかけになったり。何かが起これば、それは「その土地に選ばれた」ということなのかなと。

オダギリ
オダギリ氏

めちゃアナログだけど、人と繋がっているからこそ行ける場所ってありますよね。デジタルに情報のない。あと、人と出会い友達になって何度も行っていると、化学反応が起きて次々と色々な人や場所を紹介されて、さらに繋がっていき……そこにはまっちゃうみたいな(笑)。

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