求人情報

公認会計士が教える会計知識vol.6 役員への給与・ボーナスーゼロベース代表 渡邊勇教氏寄稿

なぜそんな面倒なルールなのか

 ここで疑問になるのが、「なぜこんなにもルールが面倒なのか」ということでしょう。私も初めて知ったときは、「役員になると面倒が増えるなぁ…」という感想でした。

 このようなルールがつくられている背景には、利益調整を防止することがあります。仮に、定期同額の支給ではなくともOKというルールになると、決算時に1,000万円の利益が出ていたときに、最後の月の役員報酬を1,000万円にすれば、利益が0円になり法人税等の税金が本来ならば350万円(=1,000万円×35%(実効税率35%と仮定))かかったはずが、利益が0円となり、法人税等が0円になる、という理屈ができてしまいます。これを防止するために、「定期同額給与」というルールが出来上がりました。毎月の給料で調整ができないならば、役員ボーナスで調整しよう、と考える方が出てきます。それを防止するために「事前確定届出給与」というルールができました。

まとめ

・定期同額(決まった日に決まった金額)を支給しなければ、税務上否認される。
・役員ボーナスの支給を考える場合、決算日から3ヶ月以内に税務署への届出が必要。
・不相当に高額な報酬やボーナスは税務上、否認される。
・利益調整を防止するために、役員報酬のルールは作られている。

渡邊勇教
公認会計士。邊勇教公認会計士・税理士事務所、ゼロベース代表
北海道帯広市出身。立命館大学卒業後、監査法人トーマツに入所。2011年に公認会計士登録。その後、渡邊勇教公認会計士・税理士事務所(かぜよみ会計事務所)設立。2018年に業務改善や財務コンサルティング、他士業との連携サービスを提供するゼロベースを設立。また、渡邊勇教公認会計士・税理士事務所の代表しても法人・個人の各種確定申告などもおこなっている。