「大切なのは施設より体験」、満足度向上でブランド価値を高める-山梨県北杜市 上村英司市長

「グリーン・ゾーン認証」で感染拡大を抑制
今秋には大規模な誘客キャンペーンも

 コロナ対策に独自の認証を設け、高い成果を上げている山梨県。その北西部に位置し、国内でも指折りの美しい山岳景観を有するのが北杜市だ。コロナ禍で近場への旅が注目されるなか、首都圏からのアクセスも良いことでこれまで以上に注目を集めている同市では、ワーケーションや特産品を活かした誘客に力を入れている。市長の上村英司氏に話を聞いた。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

上村氏。インタビューはオンラインで実施した。
-はじめに北杜市並びにご自身のご紹介をお願いいたします。

上村英司氏(以下敬称略) 私は北杜市の出身で、現在50歳です。大学卒業後はサントリーに9年間勤め、ウイスキーやビール、ワインの営業や企画を担当していました。30歳のときに家業の酒屋を継ぐため帰郷したのですが、地域をもっと良くしたいという気持ちが徐々に高まり、40歳で市会議員に。その後昨年11月に市長に就任しました。

 北杜市は非常に自然に恵まれた地で、山岳景観も素晴らしく、日本百名山である八ヶ岳、甲斐駒ヶ岳、金峰山、瑞牆山などに囲まれています。国蝶オオムラサキの生息数は日本一で、生物の多様性も特徴の1つです。

 また水資源も豊かで、甲斐駒ヶ岳方面では花崗岩から生まれる非常にピュアな水、八ヶ岳ではミネラル分豊富な水、金峰・瑞牆水系ではラジウムが含まれる水が育まれ、その水から美味しい野菜やお酒が生み出されています。これらの自然の恵みを活かした観光を進めていきたいと考えています。

 なかでも北杜市にはウイスキー、ワイン、地ビールなど様々な種類のお酒の醸造所があり、世界でも高い評価を受けています。広い土地や長い日照時間など条件も良く、現在市内にはワインを作っている会社が20社ほどあります。いずれ世界に誇るワイン産地になるのではないかと考えています。

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