【カンボジア現地レポート】コロナ禍に観光地で大規模工事、アフターコロナはサイクリング観光に期待
”観光の街”シェムリアップの現状
世界遺産のアンコール遺跡を有する“観光の街”シェムリアップですが、コロナ禍により国外からの観光客がほぼ途絶えた状態です。現在、カンボジア国内での国際線の運航は首都のプノンペンのみ、シェムリアップへの国際線は運休している状況です。
シェムリアップでも感染者が増加してきており、1日の感染者が144名(2021年7月5日現在)。あわせて、市内最大の卸市場であるプサー・ルー(ルー市場)でもクラスターが発生し市場は閉鎖されてしまいました。
市内では、観光客がいないこの時期にということで、大規模な道路整備や排水管工事が昨年より続いていて、2021年中の完成を目指して工事が進んでいます。また、観光地は博物館や伝統舞踏がおこなわれる施設は休業していますが、アンコール遺跡地区は平常通りで入場も可能です。現在、このような施設に入る際にはカンボジア政府が運営している「STOP COVID」というアプリで来場者確認がおこなわれます。市内のレストラン、ホテルなども同様で営業する全事業者と、施設の利用者に「STOP COVID」のQRコードの取得、掲示が必要となっています。
アンコールワットでは駐車場からアンコールワットまでの導線が2020年中ずっと工事がおこなわれていましたが、2021年の初めに一部を除き完成、きれいに整備されました。他の遺跡エリアでも道路の補修工事、遺跡地区での遊歩道整備などがおこなわれており世界各国のお客様を心地よくお迎えできるよう工事が続けられています。
また、一般市民の生活に目を移してみると朝夕に遺跡エリア内でサイクリングを楽しむ人々の姿を多く見かけるようになりました。コロナ禍で遠出するよりも近くの遺跡地区でサイクリングをするのがひとつのリクリエーションとして流行っています。尚、シェムリアップ市内からアンコール遺跡地区まで車で20分ほどです。
2020年の感染者が少かった時期は首都のプノンペンから週末や連休にシェムリアップを訪れ、皆でサイクリングを楽しむ人々の姿も多く見かけましたが、現在は感染の状況もあり、州外からの訪問客は少なくなっていますが、シェムリアップの住民はサイクリングを楽しんでいます。これは、一時期のブームではなくサイクリングがレクリエーションとして定着してきていると言えると思います。
市内の道路工事とともに自転車走行用の道路スペースの工事も予定されているようですのでカンボジア国内の方だけでなく、国外からの渡航が増えてくれば観光客の方々にも楽しんでいただけるレクリエーションになっていくと思いますし、そういった遺跡観光の楽しみ方をご紹介する機会を作っていければ良いなと考えています。
最後に
カンボジアでは観光業を含めたサービス業が主要産業であり、特にアンコールワットを含めたアンコール遺跡を擁するシェムリアップは観光業に依存する街です。コロナ禍もあり、苦境に立たされておりますが、これを機に街の整備を進め訪問者に喜ばれる清潔で美しい街になるよう、日々変わっていっています。また、カンボジアの地で皆様とお会いできる日が来ることを心待ちにしています。
S.M.Iトラベル カンボジア現地責任者
遺跡、歴史が好きで大学生の頃にアジアを放浪。社会人経験を経て1997年にカンボジアで旅行業界での勤務を始める。2004年にS.M.I.トラベルに入社と同時にカンボジア支店の立ち上げメンバーとなる。シェムリアップでの遺跡観光、カンボジア国内の視察、研修旅行などの手配、受け入れをおこなう。