企業研修プログラムも、旅行会社にはコンサルティングの役割を期待

健　DMOのインアウトバウンド仙台・松島にはお客さんを紹介してもらっています。実は彼らが最初に視察に来たときには、上辺の数字やレジャー的な要素を追う方々なのだろうと先入観を持っていました。ですが彼らにも体験を重ねてもらうちに、地域の強みをどのような観点で抽出しようとしているか、互いの考えに理解を深めることができました。

健　より良く生きるために「内なる衝動」で動く生き方や、動くきっかけや刺激をプログラムのなかで得ていただけたら嬉しいです。現代は経済合理性で生きている方がほとんどかではないかと思いますが、理にかなっているからや楽だからではなく、本当に「やりたい」と思うことに人生を費やす人が増えれば社会が良くなるのではないかと考えています。

　多くの人は「でも」「どうせ」「できたら良いよね」と言いながら行動には移しません。できるかどうかではなく「やる」という衝動と決意を見せれば、次世代の人にも良いプレゼントになるのではと思います。とにかく「やりたい」という衝動があれば、経済合理性は後から作り出せば良いのではないでしょうか。

由紀子　私がダイちゃんを引き取ったときのようにね(笑)。

健　旅行会社の方々にも、今だからこそ果敢にチャレンジしていただきたいと思っています。既存の観光の造成の仕方というものではない、突飛で衝動に駆られるような何かを考えるだけでも、会社には良いチャレンジなるのではないでしょうか。不況の今こそがタイミング、チャンスだと思います。

由紀子　今は多くの人が価値観を見つめ直している時期で、思い切って「何を馬鹿な」と言われるようなことにチャレンジするのは大切だと思います。ただ、1人では孤独なので、強みを活かした相互補助も大切です。そして何より、危機感が薄らぐとその手を放して競争相手になってしまいがちなので、相互支援の形を継続していきたいと願っています。