インドネシア、バリやビンタン島などで外客受入再開へ、セミナー開催

  • 2021年6月15日
オンラインセミナーはバリ島からの生中継で実施。写真は観光クリエイティブエコノミー省・ツーリズムマーケティング総局アジアパシフィック地区担当総局長のシギット・ウィチャックソノ氏

 インドネシア共和国観光クリエイティブエコノミー省は6月11日、オンラインセミナー「Welcoming the New Normal in Bali and Bintan~新しい日常の中でご案内するバリ島とビンタン島」を開催した。セミナーの基調講演では、観光クリエイティブエコノミー省のツーリズムマーケティング総局・アジアパシフィック地区担当総局長のシギット・ウィチャックソノ氏が登壇。「ニューノーマルの時代に観光客を迎える準備をしている、バリとビンタンを紹介したい」とアピールするとともに、新型コロナウイルス(COVID-19、コロナ)の発生状況を見ながらも、バリ島やビンタン島で外国人観光客の受け入れを再開する計画があることを説明した。

 同氏によれば、外国人旅行者の受入準備として、入国から出国まで関わる地上郵送、ホテル、レストラン、観光地、ショッピング施設に対し、新しい認証プログラム「CHSE(清潔、健康、安全、環境=cleanliness, health, safety and environment)」を導入。徹底したコロナ対策を実施しているという。

 インドネシア政府は5月からシンガポールなどとのトラベルバブルの開始準備を進めているところ。4月から観光再開に向けた準備をピーアールするキャンペーンを展開中だ。今後はコロナの発生状況次第ではあるが、7月をめどに外国人観光客の受け入れを再開する考え。バリについてはウブド、サヌール、ヌサドゥアの3ヶ所を「グリーンゾーン」として、ワクチン接種を優先的に実施しているという。

PT. BINTAN RESORT CAKRAWALAグループゼネラルマネージャーのアブドウル・ワハブ氏

 ビンタン島については、現地リゾート開発会社「PT. BINTAN RESORT CAKRAWALA」でグループゼネラルマネージャーを務めるアブドウル・ワハブ氏が現状を説明。バタムとともに7月をめどにシンガポールとのトラベルバブルを進めていること、島内をゾーン分けして順次外国人観光客を受け入れる予定であることを紹介した。同氏によれば、PCR検査は島内ででき、総合病院でコロナ患者を受け入れる病床を確保しているほか、非常時はシンガポールへの病人の輸送も可能という。

 さらにワハブ氏は、海外からの観光客数はシンガポールが多いとしながらも、2019年には1万9210人の日本人観光客が訪れていたことを紹介。日本の旅行会社に対し、2022年から25年にかけて「フォーポイントバイシェラトン」「インディゴホテル」をはじめとした新しいホテルが次々と開業する予定であることをアピールした。

JTBインドネシア代表取締役社長の水越三千哉氏

 また、セミナーでは、JTBインドネシア代表取締役社長の水越三千哉氏が登壇し、バリ島の現状を話した。同氏によれば、バリにおけるコロナの1日平均感染者数は、2月のピーク時は400人強だったところ、6月初旬には約40人まで減少。2月からインドネシア政府の社会活動制限策(PPKM)が続いているが、バリ特有の村組織「バンジャール」による管理が功を奏しているという。

 加えて、水越氏はバリのグリーンゾーンではほぼ100%ワクチンの接種が終了していることをアピール。外国人観光客の受入再開に期待を示すとともに、「バリは観光資源が豊富でリゾートライフが楽しめ、滞在コストも安く、コワーキングスペースもあり、ネット環境もいいことから仕事しやすい環境」と語り、ワーケーションでのバリ滞在を提案した。


水谷誠氏はヌサドゥアの「ザ・ムリア」からプレゼンテーションを実施

 このほか、セミナーでは「ザ・ムリア」「ムリア リゾート&ヴィラス」「ヌサドゥア バリ」のアシスタントディレクターオブセールスを務める水谷誠氏が、ホテルとしての対策を説明。「日本人が日本で体験していることと同じ対策を現地でもやっているので、安心して旅行できる」と話した。加えて、同氏は日本人の最初の海外旅行先はバリが最適であると持論を展開。理由として、アジア圏内で物価が安く、安心・安全・快適な滞在をするためのコストをかけやすいこと、他人とあまり接触せずにリラックスできるリゾート地であること、直行便で簡単に行けること、他の直行便リゾートとは異なり、ワクチン接種が進んでいることなどを挙げた。