【コラム】ワクチン接種を終えたアクティブシニアはどう動く

 「ワクチン接種率が50%を超えると国民の消費意欲が格段に高くなる」これは諸外国のワクチン先進国を見れば明らかで、日本でも同様の現象が起こる事は十分期待出来ると思います。

 日本がその状態になるのが秋なのか、それとも冬なのかは分かりませんが、少なくとも65歳以上の方から順に日々接種率が上がっているわけで、我々観光産業としては、ワクチン接種済みのアクティブシニアがいつから、何割の方が、何処へ、どんな旅行をされるのか、ここに注目しない訳には行きません。

 「いつから」なのか「何割の方」が動くのか、これに大きな影響を及ぼす要因の一つはワクチン接種者の旅行を含めた消費活動に対してマスコミ及びそれに大きく影響を受ける世論がどのように反応するかだと思われます。接種済み世代の活発な行動や消費を歓迎するのか、あるいはしないのか。

 ワクチンが唯一のコロナ収束の決定的手段と政府も言っている以上、ワクチン接種をされた方々の行動を制限するのは馬鹿げており、消費を大いに称賛し、アクティブシニアには「国の為、経済回復の為に消費をしている」と大手を振って旅行や飲食をして頂くべきです。海外旅行に関しても、ワクチン接種者の帰国時の自主隔離が撤廃されれば、早い時期から段階的に需要が回復し、急には回復しない供給とのバランスも取り易いと思われます。

 今観光産業団体がすべきことは、ワクチン接種済みの方が積極的に消費の先鞭を切れるよう、政府には宣伝広報及び海外からの帰国時の自主隔離撤廃を陳情、メディアにはワクチン接種者の旅行を歓迎する意見広告の掲載を含めた働きかけでは無いでしょうか。

 そして我々事業者はコロナ禍中でも地元から歓迎され、旅行者に魅力有る企画や商品を造成し、積極的に販売をしていく。年代別の接種スケジュールに合わせ、先ずは65歳以上の方をターゲットにワクチン接種済みの方限定での宿泊パッケージやバスツアー、ワクチン接種済みステッカーやバッジの作成・配布等々、考えられることは多々有ると思います。そして、その中には個社で取り組むより、複数社或いは産業全体で取り組んだ方が良いものも有るでしょう、読者の皆さんのアイデアや意見を是非コメントや編集部へのメールでお寄せ下さい。可能な限りサイトで紹介しますし、当社も一緒に取り組める施策であれば、積極的に対応させて頂きます。

岡田直樹
㈱エフネス代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人。27歳でエフネスの前身㈱ルゥエストを創業し、31周年にあたる今年に至る。旅行素材のホールセール、観光関連企業への決済サービス提供、緊急対応代行、業界誌トラベルビジョン運営等々、主に観光産業内のB2B事業に携わる。
㈱ティ・エス・ディ代表取締役、一般社団法人インバウンドデジタルマーケティング協議会理事、㈱ミックナイン社外取締役​