シンガポール、日本との外交樹立55周年で「SJ55」を展開、イメージキャラクターにウルトラマン起用
さまざまな企画をオンラインで提供
シンガポール政府観光局(STB)は、2021年が日本とシンガポールとの外交関係樹立55周年に当たることから、今年を「SJ55」として、オンラインを中心とした様々な事業を展開する。オンラインプレスイベントでその概要を発表した。
STBは、日本政府観光局(JNTO)と共同で「SJ55記念ロゴ」を制作。シンガポールの象徴「マーライオン」と日本を表す「桜」を折り紙のようにデザインした。STB北アジア局長のマーカス・タン氏は、「このロゴは、両国の友好関係を表現している。今後、さまざまなコンテンツでこのロゴを活用し、日本でシンガポールを体験できる様々な企画を提供していく」と、SJ55ロゴに込めた思いを説明した。
また、STBは昨年から海外旅行再開に向けた包括的なプラットフォームとして「Simgapore Reimagine」を立ち上げたが、日本では「ふたたび、旅へ。シンガポール」をタグラインに、同じく生誕55年を迎えた「ウルトラマン」をイメージキャラクターに起用する。今後、4種類のビジュアル、3本のショートビデオ、ノベルティグッズなどを製作し、さまざまな場面で活用していくことで、将来のシンガポール旅行に向けた機運を高めていく方針だ。さらに、6月1日にはSTBの公式サイト内にSJ55の特設マイクロサイトもオープンした。
STB長官のキース・タン氏は、「シンガポールと日本は良好な関係を築き、人と人との強い絆を支える両国の観光業は友好関係の要。両国の観光局や旅行会社、多くの旅行関連事業者がオンライン交流やニーズに合った活動を実施している。こうしてお互いの国の魅力を学び楽しむことができれば未来の旅行プランの参考になるだろう」と話し、両国の往来再開に向けて前向きなメッセージを寄せた。
STBは、具体的な事業についても説明した。4月からはロイヤルデリとのパートナーシップでシンガポール名物のチキンライスを冷凍食品で提供。ゲーム会社ブシロードとのコラボでは、メディアミックス「D4DJ」のスマートフォンゲーム「Groovy Mix」でシンガポールを舞台にしたシナリオを展開する。
また、「シンガポールおうちシアター」として、今後2年にわたりネットフリックスでシンガポール映画6本を配信するほか、6月からは、シンガポール交響楽団やジャズミュージシャンによる音楽配信を開始。8月以降には、シンガポール在住日本人が現地を紹介する「Myシンガポール日本人在住者のとっておき話」の第3弾を文化と歴史をテーマに配信する。このほか、JTBは「シンガポール・バーチャルツアー」を継続。ユネスコ無形文化遺産に登録されたホーカー文化などを紹介していく。
進むワクチン接種、安心安全の旅に向けて取り組み強化
日本とシンガポールとの外交関係が樹立されのは1966年4月。それ以降、両国の関係は強化され、交流人口も2019年にはシンガポールへの日本人旅行者が約88万人、日本へのシンガポール人旅行者が約49万人にまで拡大した。
しかし、コロナ禍のなか、両国の往来は一時相互グリーンレーン(ビジネス・レジデンス・トラック)が認められたものの、両国での感染者数増加に伴い、今年1月からは停止され、両国間の往来は原則的に停止されている。
シンガポールでは、感染拡大にともない、警戒レベルをフェーズ2に戻し、6月13日まで再度ロックダウンを実施しているところ。一方で、ワクチン接種も進んでおり、5月24日現在で人口の28%が完了しているという。感染対策として、昨年2月から業種ごとに7項目の厳しい基準を設けた「SGクリーン認証制度」を開始した。現在のところ宿泊施設、レストラン、観光地など2万5000ヶ所の施設が承認されている。今後も「衛生」「社会的行動」「検疫と検査」「ワクチン」「追跡」を5本柱に安全な旅の実現に向けた取り組みを強化していく方針だ。
STB日本支局長の柴田亮平氏は「シンガポールは若い国だからこそ、情熱があり可能性に満ちている。安心安全の旅行を実現するべく、しっかりと準備を続けていく」と話し、将来の旅行再開に向けて意気込みを示した。