【タイ現地レポート】第3波真っ只中のタイ、観光大国ならではの施策も
ワクチン接種
タイ政府はこれまで各国と同じく医療従事者、高齢者を優先にワクチンの提供を行ってきました。各国との違いはプーケット島やサムイ島などの観光地の島の住人に優先的にワクチンの接種を行い、集団免疫が出来たところで局地的に海外からの渡航を受け入れるという構想がありました。年内実現に向けて進めていましたが、バンコク周辺での第3波による感染者の増加により、国民からは首都圏から対策進めるよう不満が出ました。現在政府は観光地だけではなくバンコク都と周辺の県へのワクチン接種の計画を進めています。この計画の中には該当する地域に住む外国人も含まれています。8月までに11県で1350万人の接種を目標としており、ここにきてようやく日本人である筆者にもワクチンを受ける機会が巡ってきました。
施設の規制
第1弾でお伝えしたとおりタイでは感染リスクを地域別に5段階に分類しています。最高度厳格管理地域であるバンコク都と周辺3県では店舗での飲食は9時までとし、着席可能な人数を本来の25%以下に制限しています。アルコールに関してはタイのほぼ全土で提供を禁止しています。県外への移動は極力控えるという要請が出ており、筆者は仕事上やむを得なく県外への移動を頻繁に行っていますが、検問に遭遇したことは今のところ一度もありません。実質的にはタイ国内であれば自由に移動出来るようです。
梨田駐タイ大使のナイトクラブでの感染と高まる日本人への不満
4月7日タイ日本大使館が梨田駐タイ大使が歓楽街のナイトクラブを訪れ、コロナウィルスに感染したことを公表しました。このニュースは日本の主要メディアだけでなく、タイ国内でも大きな話題となりました。日本大使館は定期的にメルマガでこのような施設への出入りを控えるよう呼び掛けていたにもかかわらず、そのトップである梨田大使が感染していて、しかも数日間感染場所を黙秘していたのです。在タイ日本人からの不満はもちろんのこと、タイ人からも一部の日本人が国内の感染を拡げていると不満の声が挙がりました。ネット上ではリゾート地パタヤで日本人がホテルの宿泊を拒否されたという話も出ています。これまでも日本人旅行者のマナーの悪さは以前から問題視されていましたが、より一層日本人のイメージを悪くさせてしまったように感じます。日本人はこのご時世でもナイトクラブに出入りしているというイメージのせいか、筆者自身も職場で少し肩身の狭い思いを経験しました。
ソンクラン旅行
タイでは4月に大型連休があり、第3波の始まりと丁度重なりました。筆者はイサーン地方に旅行する予定でしたが、いろいろなリスクを考慮して近場のカンチャナブリとフアヒンに変更しました。カンチャナブリは泰緬鉄道やエラワンの滝といった日本人旅行客にも人気のあるスポットがいくつかあり、大型連休ということもあってタイ人観光客で溢れかえるのではと心配していましたが、実際筆者が訪れたときには観光客をあまり見かけませんでした。
これまでの流れと今後の予想
この1年タイ政府は早く海外からの観光客を呼び込まなければプーケットやパタヤなどの観光地の経済が疲弊してしまうと考え、国民を納得させつつ、なおかつ外国人を安全に入国させることが出来るのかを模索していたように見えます。定期便の数も多いので日本からタイに来ることは簡単ですが、タイ大使館に行き、観光ビザを取ることはまだこの段階ではかなり難しいように感じます。タイでもワクチンの接種が始まったことから、条件を満たす人であれば観光ビザでタイに訪れることが出来るのもそう遠くないでしょう。次号で筆者のワクチン接種のレポートを取り上げ、最終号で日本から多くの観光客が来たことについて取り上げたいと異国の地から祈っております。