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日本航空、2020年度は2866億円の赤字、売上収益は65%減
新中期経営計画では2023年度にコロナ禍前の利益水準へ

左から斎藤祐二氏、赤坂祐二氏、菊山英樹氏

 日本航空は5月7日、2021年3月期連結業績を発表した。新型コロナウィルスの影響を受けて売上収益は前年同期比65.3%減の4812億円にとどまった。営業費用も前年同期比32.4%減の8850億円に収まったものの、財務・法人所得税前損益(EBIT)は3983億円の損失、税引前損益は4040億円の損失、親会社の所有者に帰属する当期損益は2866億円の損失となった。今期の期末配当は見送る考えだ。

 日航は2月の第3四半期決算発表時の通期業績予想では、売上収益4600億円、EBIT4200億円の損失、当期損益3000億円の損失としていたが、いずれも通期業績が予想を上回った。しかし3項目とも昨年10月の第2四半期決算発表時の通期業績予想は下回る結果となり、年間を通じて収束状況が安定しないコロナ禍に振り回された格好だ。

 とくに国際旅客収入は279億円と前年同期比94.2%減まで落ち込んだ。また国内旅客需要も昨年4月発出の緊急事態宣言の解除およびGoToトラベル効果で第3四半期は一時的に観光需要が急回復したものの、感染再拡大で第4四半期には需要が低迷するなど影響を受け続けた。その結果、国内旅客収入は前年同期比67.2%減の1740億円にとどまった。それに対して貨物郵便収入は前年同期比40.6%増の1288億円となった。

 コストマネジメントに関しては、当初想定比の固定費削減幅を、第3四半期決算発表時には約1200億円としていたが、これを150億円上回る約1350億円まで拡大。B777機材の早期退役費用の約200億円を差し引いた約1150億円の削減につなげた。収入や供給に連動しない実質固定費は19年度比で約600億円減の約5000億円に抑えたことになるが、日航では「今年度以降も実質固定費の抑制に注力し、事業が成長していく局面においても効率化、生産性向上を図ることで20年度と同水準に抑えていく」(代表取締役専務執行役員財務経理本部長・菊山英樹氏)との方針だ。また20年度の変動費は減収額(9046億円)の41%に相当する3680億円の削減となった。

 連結財務状況に関しては、「昨年11月の公募増資の実施を含め1829億円の資本増強を行い自己資本9474億円を確保し、自己資本比率45.0%、D/Eレシオ0.5倍と健全な財務体質を維持している」(菊山専務)と説明した。加えて有利子負債5151億円のうち1年以内の返済分は696億円にとどまるとし、年度末において現預金4083億円キャッシュフローも営業キャッシュフローが2195億円のマイナスであったものの、投資や出資を当初計画より約2000億円削減するなどした結果、キャッシュフロー合計では780億円を確保した。

 なお今期(2022年3月期)については「国際線、国内線の需要動向を見通すことができず、現時点で合理的な予想は難しい」(菊山専務)として業績予想は発表しなかった。

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