ハワイの「今」を駐在員の視点から-感染数は微増、今なお休業状態の旅行会社とサプライヤー

ハワイにおけるワクチン接種状況

 12月中旬から始まったワクチン接種は下記スケジュールに沿って行われています。

フェーズ1Aフェーズ1Bフェーズ1Cフェーズ2
カテゴリー医療従事者
介護施設居住者
エッセンシャルワーカー
高齢者(75歳以上)
成人(65~74歳)
高リスク病状のある人(16~64歳)
その他の人(16歳以上)
人口比6%20%47%27%
開始時期実施中実施中2021年春予定2021年夏予定
*エッセンシャルワーカー:刑務官、郵便局員、教職員、公共サービス従事者


 現在のハワイ州全体の進行度は、フェーズ1Cで、ファイザー、モデルナ、ジョンソン&ジョンソン社のワクチンが使用されています。接種会場は拡大しており、現在はショッピングセンター内の薬局も含まれます。接種は完全予約制で、ワクチンの到着状況に応じて予約受付対象が発表されます。

 一般住民は、75歳以上の高齢者から開始され、5歳刻みで若い年齢に順番が回ってきています。3月初めに70歳、中旬に65歳、末には60歳以上が対象となりました。エッセンシャルワーカーの定義に関しては、4月初めに小売業まで拡大されましたので、実際には青年層も予約可能となりました。

 また、ホノルルと比較して医療資源の乏しいモロカイ島、ラナイ島は既にフェーズ2へ移行しており、次いでカウアイ島、ハワイ島、マウイ島も16歳以上の接種予約が4月初めに開始しています。4月1日時点で、ハワイ州全体で約63万回の接種が完了しており、全住民の28%、4人に1人以上が少なくとも1回は接種済と発表されています。バイデン大統領が設定した5月1日までに全成人をワクチン接種対象とするようにというゴールに向けて州政府の行動もスピードアップしているように感じられます。

事前検査プログラム開始後の日本人客推移

 ハワイ州観光局は、今年2月のハワイ訪問者数が約23万5200名と発表しました。主に米国本土からの国内旅行者になりますが、この人数は、昨年3月のロックダウン直前の前年2月(約82万8000名)と比較しておよそ70%減だったようです。まだまだ大幅な減少に変わりありませんが、10月の再ロックダウン解除から半年弱で3割の回復とポジティブに捉える関係者も少なくありません。

 対して、日本からの到着客数はフライト便数に応じた来島者数を維持となっています。少ない便数に加え、ハワイ旅行にはPCR検査費用も必要ですので、ハードルが追加されたような状態になっています。ただ、ワクチン接種が進むハワイでは、ワクチン接種済みの訪問者は検疫措置を緩和する「ワクチン・パスポート」の実施が早ければ5月にも開始される可能性があります。ロックダウン解除後、早急に実施された対日本の門戸開放のように、日本人へのワクチン・パスポート早期適用が望まれます。

データ出典:State of Hawaii, Department of Business, Economic Development & Tourism

8月27日  再ロックダウン

9月24日  ロックダウン解除、ティア1開始

10月15日 事前検査プログラム開始

10月22日 ティア2へ移行

11月6日  事前検査プログラム(日本からの旅客)開始

2月25日  ティア3へ移行