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コロナでの学びを活かし、新しい観光の形を探る-別府市長 長野恭紘氏

市長が先陣を切って内需喚起
Go Toトラベルは段階的な再開を

 就業者の9割以上がサービス産業に就いている大分県別府市。名実ともに観光の街であり、コロナの影響は計り知れない。市長の長野恭紘氏は昨年以来、雇用維持のための予算確保や感染予防対策などに奔走してきた。「節度ある観光客は大歓迎」と話す長野氏に、別府の現在と今後目指す姿を聞いた。インタビューは4月6日に実施した。(聞き手:弊社代表取締役社長兼トラベルビジョン発行人 岡田直樹)

別府市長の長野恭紘氏

-まずはご自身のご紹介をお願いいたします。

長野恭紘氏(以下敬称略) 2015年、市政へは3度目の挑戦で、別府市史上1番若い市長として1期目をスタートさせました。現在2期目ですが、外から新たな要素を持ち込むのではなく、歴史、産業、伝統、文化など今あるもの、我々が失いかけている本質的な良いものを徹底的に磨いて光らせ、そこに外部の人の目も掛け合わせて新しい価値観を作っていこうというのが、当選当初から変わらないコンセプトです。

-観光産業や地元経済へのコロナの影響はいかがでしょうか。

長野 凄まじい影響を受けています。ある統計では、別府市は「コロナの影響を受けやすい街」として最もリスクが高いと指摘されたこともあります。2019年のラグビーワールドカップ、2020年のオリンピック・パラリンピックからの流れで、その先のインバウンド6000万人という国の目標を見据えて取り組んできたので、真っ逆さまに落ちたというのが率直な状況です。

 別府市ではサービス産業に関わる人が就業者の約90%を占め、そのうち約60%が宿泊業や飲食業などの観光産業に関わっています。宿泊客数で見ると、2020年のゴールデンウィークには前年の98%減まで落ち込みましたが、Go Toトラベルなどの効果もあり、年間を通して見ると前年の55%を何とか維持しました。

-需要減への対策としてこれまでに実行された取り組みについてお聞かせください。

長野 2020年4月の予算成立後すぐに、10億円の予算を組みました。考え方としては、既存の基金を取り崩すのではなく、既決予算のなかで整理を行い、10億円を確保しました。

 まずは雇用の維持のため、従業員を休ませざるを得ないなどの時には市役所が受け皿になることとし、ダブルワークを前提に500名の雇用を想定して予算を組みました。また別府市には飲食店が多いため、固定経費を減らす目的で、国が始めるのに先立って家賃補助も実施しました。利子補給も行っています。加えて、コロナのタイミングで起業した方は国の持続化給付金の基準に当てはまらないため、独自の基準を設定し給付しました。

 感染対策を徹底したうえで湯ごもりをしてもらおうと、2020年6月からは「湯ごもりエール泊」という事業を行いました。旅館ホテル組合への加盟、非加盟で不公平がないよう双方をカバーした施策です。

 30%のプレミアム付きクーポン券も2回発行しました。1回目は飲食店専用、2回目は飲食以外にも使えるもので、評判も良く、消費喚起のため今後もタイミングを見て実施が必要だと考えています。

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