カナダの「今」を駐在員の視点から-旅行業界のこれからと主要観光地の現状

観光主要7地域の現状

バンクーバー
 バンクーバーのあるブリティッシュ・コロンビア州は、現在原則として同居人以外の入室禁止、レストランでの家族以外とのテーブル着席禁止等、厳しい制限が敷かれています。バンクーバー市内及び近隣の観光箇所では大半が事前予約制の入場体制を取っています。 公共交通機関や室内はマスク着用が義務化されています。ワクチンは9月末までにすべての一般住民が受けられるように進められています。

 人気のグランビルアイランドでは駐車場を無料にするなどして地元観光客の招致に努めていますが、全体的に人出が少なく、フードコートもシーティングエリアが使用不可、平日休業の店も多く、コロナの影響が伺えます。

閑散としたグランビルアイランドのフードコート。人気観光スポットでコロナ禍前は真直ぐに歩けないほど混雑していた

 蒸気時計が有名なガスタウンをはじめ、観光客に人気のスポットも人通りはまばらです。ローズウッド、オーパスなど現在クローズしているブティックホテルもあります。通常営業しているホテルは安全基準を満たした上での営業をしています。

バンクーバーのフォトジェニックなスポットと言えば蒸気時計。今は人もまばら

トロント
 空港はまだ乗客とスタッフ以外はターミナル内へ入れません。オンタリオ州では5色で地域ごとの感染危険性を示しています。グレー<赤<オレンジ<黄<緑の順で、グレーがロックダウンを示します。

 トロントは厳しい集会規制が3か月以上続き、ようやく3月8日より一部地域で緩和となりました。7月1日カナダデイまでの大きな催事はプライドパレードを含め全て中止となりました。CNタワーやカサロマなどの観光箇所は前回9月のレポートではオープンをしていましたが、冬季より現在までクローズをしています。

ナイアガラ
 ナイアガラは現在レッドゾーン。観光各所はオフシーズンも重なり、開園している場所も殆どありません。ホテルは通常営業を許可されており、宿泊可能です。マスク着用は必須、多くのホテルで通常のチェックインとタッチレスチェックインがあります。朝食はブッフェが不可、テイクアウト、もしくはプレートとなります。レストランの入店制限は10人。同席は1家族または同居人のみ4名までとなります。滝付近も通行可能ですが、必須以外の外出は控えるよう推奨されています。

ナイアガラの滝付近の歩道(写真提供:Niagara Falls Tourism)

カナディアンロッキー
 アルバータ州は1日の感染者と入院者数が減少し、3月1日より一部規制緩和されました。 感染状況の改善が見られれば、3月後半には同居人以外との接触が可能になります。

 空港からバンフを結ぶ公共交通機関、エアポーターは現在運行を取りやめています。サルファー山のゴンドラは週末問わず多くの人出。同様にスキー場、スケート、クロスカントリーができるエリアは人出が多く、見たことのない混み様です。コロンビア氷原観光は5月1日からの営業予定です。

 レストランは1テーブルに同居人最大6名までの規則があります。バーも含め人気店は予約客で一杯です。

バンフ通り。通りは静かに見えるが、ホテル、観光施設は相変わらず混んでいる(写真提供:バンフガイドサービス)

 バンフパークロッジは2020年3月21日国境封鎖後も閉鎖しておらず、他のホテルも引き続き営業、一部ホテルは自己隔離場所となっていました。昨夏から現在に至るまで、週末は地元アルバータ州や他州、アメリカとの二重国籍保持者の客で何処のホテルもほぼ満室です。チェックインは数年前から iPad使用のホテルもあり、フロントがシールドで仕切られた以外に特に変化は無い模様です。