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カナダの「今」を駐在員の視点から-旅行業界のこれからと主要観光地の現状

 カナダの現在の入国状況と観光主要7地域の3月上旬現在の様子を、今後の予測も交えてお伝えします。

ワクチン接種現状

 カナダにおいて新型コロナウィルスのワクチン接種は、2020年12月14日より開始されました。3月21日現在の累計接種回数は約390万回、100人あたりの接種回数は10.5回となっています。

 同日にワクチン接種が開始された米国では、100人あたりの接種回数は37.5回となっており、大きくその差が広がっています。カナダより1-2週間遅く接種が開始されたドイツが12.6回、イタリアが12.8回、スペインが12.7回など、100人あたりの接種回数で抜かれており、カナダにおいて更なる接種スピードアップが望まれます。

 ワクチンの接種計画策定、その実施は州、州政府に一任され、州ごとに異なりますが、共通して高齢者、先住民優先でのワクチン接種が進められています。

カナダへの入国

 隣国アメリカとの国境往来、並びに国際的移動制限は、現在4月21日まで延長されています。従来の入国後14日間の自己隔離義務に追加し、新たにカナダ入国審査時に検査を行い、検査結果待機中は3日間上限で、現在入港が許可されているトロント、モントリオール、バンクーバー、カルガリーの4空港付近のホテルにて一時隔離が必須となりました。100名以上の宿泊を伴う大型クルーズ船のカナダ海域への進水は2022年2月22日まで禁止されています。

空港の様子と日本間フライトの運航状況

 各空港の国際線ターミナルは、関係者と上記条件で入国及び出国した旅客のみ立ち入りが許可されています。

バンクーバー空港。国際線到着ゲートを抜けた待合エリアの様子

 日本航空によると、日本国籍保持者の日本行きは、PCR検査結果以外に必須書類は現状なく、健康調査のオンライン登録についてカウンターで案内、健康カードは機内配布、誓約書は到着後に配布をしているとのことです。

バンクーバー空港内のPCR検査場

 現在エアカナダは運航を休止しており、現時点では5月再開予定としています。日本航空はバンクーバー~成田間を週3便運航、全日空はバンクーバー~羽田間を週3便での運航となっています。

今後のカナダ旅行業界予測

 旅行業人事サイト、ツーリズムHRでは、フルタイムの旅行業従業者の数が2019年レベルに比べ2020年には27.3%の減少となり、旅行業雇用が2019年レベルに回復するのは2023年までかかると予測しています。メールや電話でコンタクトをしても馴染みの担当者の不在メッセージが流れ、影響が身に染みる毎日です。

 カナダ旅行業協会(TIAC)、2月のレポートによると、2021年はワーケーション、サスティナブルツーリズム、地方ツーリズム、ウェルネスツーリズムに注目が集まり、より衛生的で地元を応援する旅の形態が広がると予測しています。