【北京現地レポート】感染防止対策が日常生活と観光に与える影響

コロナ渦で迎える旧正月
開港後間も無くコロナ渦へ突入した大興国際空港

 中国の首都、政治の中心地である北京は、数千年の歴史を持つ中国で最も権威のある歴史的、文化的都市であり、人口は2000万人を超えています。北京は中国北部に位置し、全体の東側は天津市と隣接しており、そのほかの部分は河北省に囲まれています。北京には16の地区があり、約16410.54平方キロメートルの面積をカバーしています。皇居、天壇、北海公園、頤和園、円明園、万里長城などの歴史遺産があり、かつては北京を行き来する観光客が絶え間なく訪れ、街は活気に溢れていました。

 新型コロナウイルスの影響で一時はロックダウンしたものの政府のコントロールによって感染が抑えられて以降、特にゴールデンウィークにはこれまでよりも多くの観光客が押し寄せました。しかしながら、冬の到来によってコロナウイルスは再び猛威を振るい始め、北京の街は再び緊張した雰囲気に覆われています。

 私は劉克勤と申します。現在個人事業で輸入貿易などのビジネスをしております。以前約13年間旅行会社に勤めており、旅行商品の企画や関連ビジネスお手伝いなどで観光業界の皆様に大変お世話になりました。

 私自身旅行が大好きで、現地の習慣を体験するためによく地方に出向きます。今年から中国の旅行の現状やコロナ禍の現状をレポートする予定です。私のさまざまな実体験や中国の観光業界の変化と傾向をぜひ読者の皆様に紹介させていただきたく存じます。

冬の北京の寒い街、人の流れがいつもより少ない

新型コロナウイルスが人々の日常生活に与える影響

 新型コロナウイルスの予防と管理を円滑に進めるために、人々が移動する際には個人ヘルスコード (QRコード)が必須化されました。北京のさまざまな地域でも、独自のヘルスコードシステムが導入されています。

 例えばレストランに入店する時、バスに乗るときなどには毎回個人ヘルスコードを提示し、スキャンをする必要があります。日常生活においてヘルスコードを提示できない場合、ほとんどの行動を制限されてしまいます。一部スマートフォンを持たない高齢者などはヘルスコードを提示できず乗車を拒否されるケースがあります。

ヘルスコードをスキャンしてレストランに入る人

 また、国内には統一されたヘルスコードがなく地域ごとに専用のアプリをダウンロードする必要があり、地域をまたぐ移動の際は大変な手間が発生しています。

多種多様なヘルスコード

 ヘルスコードは、実際に流行の予防と管理、感染者の移動経路の抽出において非常に重要な役割を果たしています。ただ、公共の場所に出入りする際には定められた健康要件を満たしている必要があり、更にリスクの高い地域に滞在した経験がある場合には健康要件を満たしている場合でも出入りが禁じられています。例えば他省のホテルにチェックインする際、個人ヘルスコードに過去2週間以内北京に滞在した履歴がある場合は、拒否されるケースがあります。

 新型コロナウイルス流行初期に武漢が封鎖された2020年2月は北京の人々はまだ恐怖を感じていませんでした。しかしながら2020年6月にシンファディ海鮮市場で初めて感染が確認されて以降は恐怖を間近に感じながら生活しています。市民は積極的に感染予防に取り組み、全員がPCR検査を受けました。

大規模なPCR検査