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観光産業のためのLGBT基礎知識 ~正しく知ることからはじめよう~

LGBTツーリズムの市場規模は20兆円
日本はLGBTフレンドリー国ランキング55位

世界のLGBTコンベンション

 LGBTツーリズムにおける重要なトピックの一つとして、海外のLGBT旅行博・コンベンションがあります。

 皆さんの中にも海外の旅行博やコンベンションに参加されたことがある方は少なくないと思いますが、LGBTコーナーが設けられている旅行博があることをご存じでしょうか?

 ヨーロッパ最大級の旅行博、ドイツのITB Berlinでは、「Pink Pavilion」というコーナーが設けられ、LGBTを歓迎する観光局、航空会社、旅行会社、ホテルなどが国の垣根を越えて同じ場所でプロモーションを行なっています。スペインのFITUR(国際観光見本市)やイギリスのWTM(世界旅行見本市)でも同様のコーナーが設けられ、人気を博しています。日本からもホテルグランヴィア京都をはじめ数社が出展してきました。

IGLTAのロゴ  また、LGBTに特化したコンベンションとして、IGLTA(国際LGBTQ+旅行協会)の年次総会があります。IGLTAは1983年、LGBTツーリズム普及のために創立された旅行業団体で、世界80ヵ国の旅行会社、ホテル、航空会社、自治体などが2000以上も加盟しています。LGBTツーリズム業界において誰もが参照する貴重な情報源となっており、旅行商品を企画する際のエアーやホテルの選定などにも多大な影響を与えています。

 毎年500人以上の参加者が一堂に会するIGLTAの年次総会は、有識者による世界のLGBTツーリズム最前線セミナーやネットワーキングパーティなどが連日開催され、たいへん有意義なイベントになっています。アメリカとその他の国々で交互に開催されるのが慣例になっているのですが、実は今、2024年の総会を大阪に誘致しようというプロジェクトが進んでいます。実現すればアジア初です。

 最後に、このIGLTA総会誘致へのキックオフの意味も込めて大阪で開催される「LGBTQ Tourism Conference in Osaka」をご紹介します。IGLTAのトップの方たち(Zoom中継)や国内で先進的な取組みを実践してきた方たちが、LGBTツーリズムの基本的な考え方や内外の先進事例についてレクチャーするほか、社内LGBT施策についてのシンポジウム、ドラァグクイーンのショーなども盛り込まれたイベントです。LGBT的には世界標準のスタイルで、このようなコンファレンスが開催されるのは日本で初めてです。ぜひ、歴史的な瞬間の目撃者となってください!

LGBTQ Tourism Conference in Osaka
日時:2021年2月19日(金)13時〜17時
会場:コンラッド大阪 Ball Room 1
https://www.outjapan.co.jp/event/2077.html

小泉伸太郎
1968年東京都生まれ。立教大学卒業。ホテル、スキーリゾート開発会社等での20年のインバウンド経験を活かし、LGBTフレンドリーなランドオペレーター「Out Asia Travel」を設立。LGBT旅⾏者の日本旅行手配にて多くの知⾒を持つ。また、IGLTA(国際LGBTQ+旅行協会)のアジアアンバサダーもつとめており、日本人として初めて「Ambassador of the year 2016」を受賞。