JTBとGDS座談会 GoToのあやふやな決定ー 20代社員が振り返る今週のニュース

  • 2020年11月28日

 今週はJTBの人員削減や、中間決算に関する記事がランキング1位と3位になりました。JTBの方からすれば新型コロナウィルスの影響によるこういったニュースに注目されるのは不本意かもしれませんが、やはり業界から常に注目を浴びるのは主要大手旅行会社の宿命ですね。

 JTBの記事の間に入り2位となったのは、GDS座談会の記事でした。昨年にアクセス国際ネットワークが解散を発表したのも今となっては随分と前の話のようです。この座談会では、残る大手国内法人3社それぞれのトップの方が今何を考えておられるのかがわかります。私としてはトラベルポートの岡安氏の発言に励まされました。特に「調査の結果、これまで個人手配が中心だったが旅行会社に頼りたいと考えている回答者が3割もいる」というのは、これまで旅行会社の皆様が築いてきた信頼があってのことだと思います。渡航に不安があっても旅行会社に任せれば大丈夫という意識が、アフターコロナの起爆剤になってくれるはずです。

 株式会社NinNinが転職サービスを開始した記事も人気でした。海外手配で順調に事業拡大をしてきた旅行会社がコロナによって売上0となった後、どう法人を継続していくかが述べられている当記事は、多くの法人に取って非常に参考になりそうです。旅行・観光事業に携わっていた20代から30代をターゲットにした転職サービスというのも興味深いですが、10月末に始めた事業で年内に売上が立つというのが魅力的です。いまやGoToトラベルも大阪市と札幌市では一時停止となり、この流れが他の地域に広がるのは時間の問題な気もします。こうなると国内旅行だけに足元を頼るのはやはり心許ないですし、他業界への進出がやはり気になるところです。

 あとは愛媛県松野町の記事を取り上げさせてください。というのも、私の後輩が松野町で働いていて、その縁から今回インタビューをさせて頂きました。なので思い入れが深い故の職権濫用で取り上げるというのも多少あるのですが、その規模と観光客数に純粋に驚いたというのがあります。恥ずかしながら後輩が移住するまで松野町のことは存じ上げなかったのですが、住人が約5,000人の町をおよそ30万人もの方が訪れるというのは純粋な驚きがあります。日本の観光地は当面、インバウンド需要よりも国内旅行需要に注力することになるでしょうが、その際に非常に優秀な参考例になり得るのではないでしょうか。最も、上記のようにGoToトラベルがいつ一時停止するかわからない状況では、観光地の方々もどうしようもないのかもしれませんが……

 ちょうどこの原稿を上げている今、菅首相が札幌市と大阪市出発の旅行を自粛するよう呼びかける考えを示したと速報が流れました。目的地にするのは除外で、出発地は自粛というのもよくわかりませんし、ここ一週間は各自治体に任せる、いや国が決めるべきだといったニュースばかり耳に入ってきて辟易とします。こういったあやふやな決定で旅行会社もGoToトラベル事務局の方々も振り回されるんでしょうか……