【コラム】コロナ後の航空会社との付き合い方は?~3つのポイント~

  • 2020年8月29日

 コロナ発生前から、旺盛な需要やOTAの出現等々によって、旅行会社と航空会社の関係は既に大きく変わっていたと認識していますが、コロナ後の関係は更にどのように変化するのか想像してみたいと思います。

 航空需要がコロナ前の水準に戻るまでは、各航空会社共に路線も便数も座席数も減らさざるを得ないことは容易に想像できます。また、一部の航空会社はソーシャルディスタンスを確保するために、搭乗率に制限を設ける可能性も有ります。

 その結果、航空運賃は上昇基調となり、団体での座席確保もこれまでより数段難しく且つ条件が厳しくなる事は避けられないでしょう。従来型のコミッションやボリュームインセンティブも減る事は有っても、増える事は無く、今までの付き合い方を踏襲していたのでは、我々旅行会社は厳しくなるばかりかと思います。

 では、どうすれば良いのでしょうか?

「目利き」

 一番重要なのは、ファクトをベースに我々旅行会社がしっかりと目利きした上で、お勧めする航空会社や経路をはっきりと消費者(搭乗者)にリコメンドする事だと思います。

 これまで重視してきた価格やシートピッチ、機内食以外にも、感染対策(機内のみならず乗換空港含め)、定時発着率、不測の事態での代替便への振替や変更やリファンドへの対応等にも目を向け、自信を持ってお勧めし、消費者の航空会社選択に際して我々旅行会社が一定の影響力を持つことにより、航空会社に旅行会社は単なる代理店では無く、差配力を持っていると認識してもらう必要が有ると思います。

「リスクテイク」

 また、別の視点では我々旅行会社側も一定のリスクを取っていく必要が有るかと思います。例えば今のコロナ渦中においては航空会社のキャッシュフローも悪化しており、複数の航空会社が事前に一定額を前払する事を条件に、前払額に数%~数十%上乗せしたバウチャーの提供を旅行会社へ提案していると国内外から聞き及んでいます。当該航空会社の倒産や日本路線からの撤退等リスクは有るものの、複数の旅行会社にてリスクを分担し、敢えてこのような提案に乗っていくのも一手かと思います。

 また、実現へのハードルは相当高いですが、座席をエリアで買取り、ソーシャルディスタンスは元より、そのエリアに座る人は全員PCR検査を受けているような環境を我々旅行会社が自ら作り、唯一無二の商品として売っていくこともアイデアとして考えられます。

「協調」

 これまで旅行会社間での仕入や販売に関する協調の試みは度々試されましたが、一部の大手旅行会社間でのチャーター等の取組以外にはほぼ成功例が無いと認識しています。

 環境の激変に晒されている今だからこそ、今までは出来なかったことが出来る、或いはやらなければ死ぬからやると言う判断が出来るのでは無いでしょうか?例えば旅行素材の仕入の集約、オフィスの共同利用や管理部門の集約等々、色々な手が考えれれるかと思います。


※先週のコラムへの多数のアクセス及び反応を頂き、ありがとうございます。今後も賛否を問わず様々なご意見を頂ければ幸いです